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『書店ガール』 碧野 圭   PHP文芸文庫

 吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。協調性がなく、恋愛も自由奔放。仕事でも好き勝手な提案ばかり。一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。そんなある日、店にとんでもない危機が…。書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。本好き、書店好き必読。

冒頭から、女子ならではの確執だったり意見の不一致でどんどん仲が悪くなる理子と亜紀、それが結構中盤まで続いて、本屋の話から離れてしまってましたが後半でようやく話が面白くなってくれて…。
書店に女性が多いけど、社員の人や上の人は男性ばかり。この物語ではロクな男性が出てこないので、女性はさらに強くなければ…。
働く女性、今回はアラフォー未婚女性(安定保守)と20代既婚女性(強気で挑戦的)との対決となっていて、その辺のバトルは面白いというか。。
最後盛り上がっただけに、オチ的な部分はやっぱり・・・で残念、ミステリーではないのでね。

数年前に書店を題材にした本が多く出ていて、この本もそのころに単行本として出ていたよう。
上記で書いたように前半部分がちょっと…と思う部分があるけれど、この本の面白さは人間関係以外は結構リアリティだということ。
どんどん本屋は少なくなってきて、イベント的なものがないと人が集まらなかったり、あとは実在の本や雑誌・マンガなどの作家さんの名前が出てるということ。単行本のときはNGだったそうだから、文庫本のほうが楽しめるはず。
なにより、ここ最近流行ってきている電子書籍について「電子書籍は本ではない。データだ。」・・・と痛快にバッサリ。
とはいえ、何年後には、また時代が変わってしまうかもしれないので、読むなら今…(笑)

8点
2012.09.20 Thursday 15:32 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『見仏記6 ぶらり旅篇』  いとう せいこう, みうら じゅん   角川文庫

 仏像ブームを牽引してきた2人がまたもや出かけた見仏の旅。平城遷都1300年祭にわく奈良ではあまりの暑さに摩訶不思議な体験をする。法然上人800回忌で盛り上がる京都では、法然にすっかり心奪われる。見仏初の愛知では思いがけないところで素晴らしい仏像に出会う。人間は現れては消え、仏像は長い時間をかけて生き永らえる。消えゆくものの拠り所としてあるのが仏像―そんなことを思いながら、ぶらりぶらりと2人旅。

前回図書館で借りたけど、やっぱり購入でしょう、文庫だし(笑)
法然上人800回忌ということで、上人にゆかりのある場所をめぐるわけですが、そりゃもう、導かれるようにぶらり旅…いや素晴らしい。。
じつはこの本が出るちょっと前に旦那がちょうど空海親鸞にはまっていて、それにちなんだ場所をすでに歩いてたので、書かれてることが改めて詳しくわかったり…なによりせいこうさんの文章ってすごいって思いました〜(MJ氏の着眼点と記憶力の素晴らしさにもビックリですが)。
内容とは離れるけど、このお二人の行動力というか体力もすごい、都会の人は歩きなれてるのか?電車とバス、タクシーでよくもあちこち回れるとは…ブツ(仏)の力なのか…。

興味のある方は…
本当にガイドブック以上です。
2012.09.10 Monday 00:35 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『見仏記 ぶらり旅篇』  いとう せいこう, みうら じゅん  角川書店

 いとうせいこう&みうらじゅんの仏像めぐりの二人旅も、スタートからはや二十年。今回は遷都1300年にわく奈良、法然800年忌で盛り上がる京都、不思議な縁を感じる名古屋を訪ねた。すばらしい仏像たちを目の前に、二人の胸に去来したものは…。

2010年、今回はぶらり旅。もう新幹線の指定席での待ち合わせでもOKってなぐらいツーカーなおふたり。ぶらり旅は見仏ではよく回ってる奈良京都。2回目や何度目でも、またその時でないと気付かない事も多いよう。
今回は上人ブームが来てる二人はそれにあやかった場所を自然と狙ってか、黙々と目的地を回ってます。
TVの見仏だと面白さとかが優先されて?るのですが、今回はいとうせいこう氏が書いてるので、MJのつぶやきやいとうさんのひらめきや思った事がそのまま書かれているし、前回行った事のある寺との繋がりなども書かれていて、面白いです。
私の好きな秋篠寺にも訪れていて、その様子を読むと、見るべきところがもっとあったな…とさらに思いを馳せれたり、知らないお寺はネットで見ながら…なんていう遊びも出来る(笑)
ま…これだけこの二人を追っかけて読んでる割には私に知識が入ってかないのが残念だけど、今回も盛りだくさん、楽しめました。
2012.01.06 Friday 17:19 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『下町ロケット』  池井戸 潤   小学館

 取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」―佃製作所、まさに崖っプチ。

第145回直木賞受賞作。
以前は宇宙科学開発機構で、ロケットエンジン開発の研究者をしていたが打ち上げ失敗の責任をとりそこをやめ、実家の町工場の後を継ぐことになった。
経営者としてとエンジニアとしての葛藤の中にある佃に言いがかりともいえる大企業からの訴えと、別の会社からの特許についての圧力。資金繰りに苦しむ佃社長の決断と社員達…。

いやぁ…最初から緊迫してるのですが、自身の、そして会社の実力とプライドと現実に挟まれて…中小企業の苦悩が難しいようですが分かりやすく書かれていて、グイグイ読めました。
小さい町工場の社員がだんだんまとまってくる、そして一つのものを作ろうとする、目的の一致が更に大きな輪になっていく様子が…いいですね。
相手側の企業の面々もまあムカッとくる人たちが多いのですが、それぞれの立場立ち位置っていうのも分かるので、そこら辺も見所となってました。

池井戸さんというと『空飛ぶタイヤ』が一番印象的ですが、この作品は読みやすくて元気がもらえる作品。オススメです。

10点


2011.10.28 Friday 01:12 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『夜叉桜 』  あさの あつこ  光文社文庫

 江戸の町で女が次々と殺された。北定町廻り同心の木暮信次郎は、被害者が挿していた簪が小間物問屋主人・清之介の「遠野屋」で売られていたことを知る。因縁ある二人が再び交差したとき、事件の真相とともに女たちの哀しすぎる過去が浮かび上がった。生きることの辛さ、人間の怖ろしさと同時に、人の深い愛を『バッテリー』の著者が満を持して描いたシリーズ第二作。

『弥勒の月』の続きとなる作品です。
前作は信次郎と清之介との駆け引きとかもあったのですが、だんだん二人は心許す事はなくても、似たような考えをもっていて、次々とあがる事件に鋭い視線で向かいます。
市井物ですが、人の想いの深いところまで入っていく、それが分かる二人なんですよね。同心の伊佐治の目線は読者寄りなのですが、うまく語ってくれます。
事件にはそれに至るまでの経緯がある。その経緯を見事に映し出してる。何にもなくて人が亡くなるtって事はないですよね。その人間描写に心動かされます。

時代物が苦手な方でもOK。
是非前作から続けて読んでください。

10点


2011.10.01 Saturday 11:09 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『弥勒の月』  あさの あつこ  光文社時代小説文庫

 小間物問屋遠野屋の若おかみ・おりんの水死体が発見された。同心・木暮信次郎は、妻の検分に立ち会った遠野屋主人・清之介の眼差しに違和感を覚える。ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之介に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治とともに、事件を追い始める…。“闇”と“乾き”しか知らぬ男たちが、救済の先に見たものとは?哀感溢れる時代小説。

おりんの水死によって同心信次郎と岡っ引の親分伊佐治は遠野屋主人の清之介に興味を持ち、無理で横柄な態度をとることで、遠野屋の本心を探ろうとするが、更に事件は次々と起こる…。
殆どが親分の伊佐治の目線から描かれているが、無礼な態度をする信次郎の狙いと、遠野屋の正体…そして本心が見え隠れし始め、実は2人はとても気持ちや本心を表に出さないけれど、秘めたる気持ちを持った二人。
そして事件が続く中で、実は裏で繋がってくるのが見えてくるのが徐々に分かり始めるうちに、事件の深さを感じさせる。

読んでいて時代小説に思えないし、読みづらさを何度も感じてしまうけど、キャラクターが凄くたっていて、その人物それぞれに惹かれてしまう、結果的には面白く読めたし、ジーンときた。
最後まで読んでもまだまだ主人公達の全体はまるで見えてこない…。そこがいいところで、実は続きの作品も出ているらしい。

続きの気になる作品です。

9点


2011.07.16 Saturday 00:57 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『背表紙は歌う』  大崎 梢  東京創元社

「とある地方の小さな書店が経営の危機にあるらしい」という噂を、書店営業仲間の女性が妙に気にしていて…。新人出版社営業部員・井辻くんのハートフル・ミステリ第2弾。「ミステリーズ!」掲載に書き下ろしを加え単行本化。

平台がおまちかね』の続編、短編連作集なんですね。
出版社の営業マンのひつじくんこと井辻くんが、書店や作家さんを通して、ちょっとした…でも答えを導きにくい謎に立ち向かい?ます。
このシリーズの特徴は、まず謎が難解。けれど解くのは探偵でもない素人。そして、謎は謎を含んだまま話は終了してしまったり…と、読み手をかなり惑わせます。

「新刊ナイト」
作家・白瀬みずきが新刊のキャンペーンで書店をめぐることになっているが、その書店に彼女の過去を知る書店員がいるという。過去に暗い過去がある作家にとってその人がどんな人物か分からない…不安がる作家さんのために井辻くんたちは翻弄させられるのだが…。
…と、そこでその人物の正体が分かるのですが…その後どうなってるの?

「君とぼくの待機会」
井辻くんの出版社から出た作品が「東々賞」にノミネートされ浮き足だつのだが、その直後から変なうわさが流れ始める。うわさの元を突き止めようとするが、なかなか見つからずその賞の発表の日を迎えようとしていたのだが…
…って誰が受賞したんでしょう。

「プローモーション・クイズ」
これには別の書店シリーズ?の成風堂が登場。そしてあのアルバイトのうわさも出てきて、このシリーズとリンクしてるようです。
この謎解きもおもしろいです。

短編連作なのですが、あちこちの話と繋がっていて楽しめます。
…が前作を読んだのが結構前なので、読み始めて暫くしてから気付くという…・
ぜひ前作と続けて読むと更に面白いと思います…

また文庫化したら再読したいです。。

9点
2010.12.20 Monday 07:38 | comments(2) | trackbacks(2) | 

『短編小説より愛をこめて』  阿刀田 高  新潮社

 前人未到、800篇もの作品を生み出した「短編狂」の著者が、円熟した小説世界をナビするエッセイ集。あなたの読書を豊かにする「アトーダ式・日々の過ごし方」や、特別ブック・ガイド「私の愛した短編小説20」も収録。

集中力が長くもたない私には短編やエッセイが気楽に読める。
そんな短編を阿刀田さん風に解説。
ギュッと濃い内容でかつシンプル、いいですよね。
そこには阿刀田さんのコダワリも。

三部構成となっていて、ギリシャ神話についても語ってる(これは短編という括りでなないような…)
それでもすらすら読めるのは文章が整ってるからかな、文章が良いっていうのは、読了感もよかったです。
2010.11.02 Tuesday 10:32 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『星へ行く船 』  新井素子 集英社文庫

 あたし森村あゆみ、19歳。現在進行形で家出のまっ最中。家を捨てるついでに、地球まで捨てるでっかい覚悟で乗り込んだ宇宙船で、あたしはさんざんな目に! いったい、家出はどうなるの!?


「星へ行く船」シリーズの第一作目。
 時代設定があるのかな、既に火星に人類が住んでいて、他の星にもいけるようになっていて、スリーナインでもヤマトでもガンダムでもない、女子向けSF、宇宙への旅となってます。
ドキドキでの宇宙船への乗船、しかしその時から既に厄介なことに巻き込まれてしまった主人公。荒っぽい状況になってもそこは若い女子はハラハラしながらも女子目線で謎解きしてしまいます。
何ていうか…感情移入しやすい主人公なんですよね。
今でいえばライトノベルのような読みやすさは当時とても新しくて文章の中に()を使ったりするのも、当時は珍しかったんですよね。そんな新感覚なところとSFモノというのが上手く合っていて衝撃的でした。
また表紙が竹宮恵子さんだったのも注目でした。

改めて読むと…やっぱり若いなぁ、とか突っ込みたくなる部分もありますが、それよりストーリーを追いたくなる気持ちの方が勝ってしまいます。
初読みで大人が読むとまた別の感想になると思いますが、私には充分に楽しめる作品のままでした。(30年ぶりに読んでるので、やっぱり記憶が飛んでて新鮮に読めました。)

10点(←私の中での…です)

図書館に置いてあった(寄贈されてた)のを見つけた時のドキドキは一気に少女時代に若返ったような、そんな気持ちでしたよ。
寄贈された方ありがとう〜。
2010.10.26 Tuesday 09:14 | comments(2) | trackbacks(2) | 

『クジラの彼』  有川 浩  角川文庫

 合コンで出会った史上まれに見る高物件の彼は、次にいつ会えるかわからない潜水艦乗りだった…。陸・海・空の自衛隊を舞台に描いた、男前でかわいい恋するオンナたちの、絶対元気になれる最強恋愛小説全6編。

自衛隊の恋愛を描いた 『空の中』『海の底』の後日談などの話も含まれた、6編の短編集。。
らしいのだが、このシリーズは読んでない…。
たしか図書館シリーズを読んでないのにスピンオフ的なレインツリーの国は読んでいる…またやっちゃってる。。
けれど別に読んでなくてもシッカリ面白い。この自衛隊ラブコメ?がちょっと苦手なんですが、短編だと楽しめる…という感じかな。

「クジラの彼」
潜水艦に乗る彼氏は平気で2ヶ月連絡がない。気持ちは繋がってると思いたいけど意思疎通することが出来ないもどかしさがリアルに伝わってくる。
「ロールアウト」
トイレにまつわる話。実際このようなトイレを使ってるんでしょうか。これもリアルな話だけど、この会話の掛け合いが面白い。
「国防レンアイ」
自衛官同士の恋愛って難しいのかな。忍耐強い…強すぎる彼と強すぎる彼女は自衛官向き(笑)

かなり甘めのラブコメ。だけどベタじゃない。
キャラがたっていてイメージしやすく読みやすい。
短編なので甘さがくどくなくてよかったです。

8点
2010.07.14 Wednesday 01:34 | comments(0) | trackbacks(6) | 
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