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『崩れた偽装―ベストミステリー短編集 』  鮎川 哲也 光文社文庫

総合商社の秘書課長・悪田に突然かかってきた電話。柴崎さよ子と名乗った女は知られたくない過去を握っていた。女を殺害した悪田はとてつもない「アリバイ作り」を思いつく(「あて逃げ」)。老若男女あらゆる主人公たちが思いめぐらす殺人の「偽装工作」。それが崩れるまでの人間模様を鋭く描いた倒叙ミステリーの傑作短編集!文庫未収録の作品「哀れな三塁手」も特別収録。

8編の短編集。倒叙ミステリーなので犯人は最初に分かっている、その犯人側からの視点で書かれてるのが面白い。
その手の話ばかりなのだが、意外と飽きない。完全犯罪が出来る・出来たと思っている犯人の心理は傍から見るには滑稽にも映る。(巻き込まれる方は大変だが…)今の時代なら難しいトリックになりそうだが、それが出来てしまう時代背景もある。
短編で変な遠回りもないので、サクサク読める。
頭をフルに使うのもいいが、この手の作品集もいいと思う。

 
2014.11.05 Wednesday 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『猫といっしょにいるだけで』  森下 典子  新潮文庫

五十代、独身、母と二人暮らし。仕事のスランプで切羽詰る日々だった。訪れた神社で「しあわせをください」とつぶやいた翌日、庭の白木蓮の切り株に、彼らは舞い降りた。「猫は嫌いだし、生き物は飼わない」と決めていたが、愛護協会や保健所も頼れない…。やがて始まるにぎやかで、穏やかな日常。『日日是好日』の著者が描く、笑って泣ける猫日和!

まだまだ未婚である作者とその母の二人暮らしの生活のなかに、突然やってくる猫との生活。
その割にはなんとなくこんな感じといった風に気負いもなく飼いはじめてるのがすごいかも。猫を通して母と娘との会話が増えたり、コミュニケーションが取れるようになったり…日々の生活に+α何か微笑みが増える。
タイトル通り、いるだけでいい、それ以上求めない。そういう生活も幸せの一つなんです〜よね。





 
2014.11.03 Monday 23:26 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『夜鳴きめし屋』  宇江佐 真理  光文社

宇江佐 真理
光文社
¥ 1,728
(2012-03-17)

本所五間堀にある「鳳来堂」。父親の古道具屋を、息子の長五郎が夜鳴きめし屋として再開。朝方まで営業している店には、父親の友人たちや、近くに住む武士、芸者や夜鷹までさまざまな人々がやってくる。その中に、かつて長五郎と恋仲だった芸者のみさ吉がいた……。『ひょうたん』の世界から十数年後、待望の続編登場!

前に出ていた『ひょうたん』の物語のその後となっている。父親から店を引き継ぐが合わず、生きていくために小料理屋として商いを始めるのだが…長五郎ののんびりした性格とで成り行きに任せた感じに進むけど、実は一人の女性を思い続ける淡くも強いラブストーリーも隠されていてなかなか面白かった。日常の中の流れの波の中に生きる人たちの、一つの物語が描かれていて、スッと入ってくるのが良かった。

 
2014.11.01 Saturday 23:28 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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