『永遠の0(ゼロ)』の百田尚樹、大暴走!!
最新書き下ろしは、出版界を舞台にした掟破りのブラック・コメディ!
敏腕編集者・牛河原勘治の働く丸栄社には、本の出版を夢見る人間が集まってくる。自らの輝かしい人生の記録を残したい団塊世代の男、スティーブ・ジョブズのような大物になりたいフリーター、ベストセラー作家になってママ友たちを見返してやりたい主婦…。牛河原が彼らに持ちかけるジョイント・プレス方式とは―。現代人のふくれあがった自意識といびつな欲望を鋭く切り取った問題作。
胡散臭い出版へのお誘い…なのにみんな信じてお金を出してしまう。巧みな話術に嘘はないが(作品を名作というのは嘘だけど)この世に作品を出したいという気持ちをうまく利用して半額を出資させる手口・・そして牛河原の本音の毒舌っぷりにお見事というか業界の裏を見たような…なかなか痛快に皮肉ってるのが実に面白い。
ところが社員の苦情対応に出たりライバル会社が出てきたりと出版会の苦悩だったり、素人作家とプロの作家の本音を編集者側から見た視点で語ったりと、これもかなり面白い。
実在の作家を彷彿させる登場人物に笑えるというか引くというか、ブラック部分もいい。
本来の百田さんの作品とは雰囲気が違うと思うが、読みやすくわかりやすい。これは作品中で出てきた売れる本だ。
本作品を読めばなるほどと思うことも多いはず。
…感想を書くは十分気を付けよう…(苦笑)
>9点