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『 64(ロクヨン)』 横山 秀夫 文藝春秋

警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。

久しぶりの横山作品でしたが、やっぱり惹きこまれますね。
大きな組織の中の一人が、どれだけ動かしていけるかというのも見どころですが、そういかない葛藤も見ものです。
過去の事件を何年か経ってから洗い出すとまた見えてくる真実。事件の流れと平行に進む過去と対立と一人一人の人生・生き方。横山さんのリアリティあふれる描き方に引き込まれます。長編なんですが一気に読めるのは、既に読み手側が横山さんの術中にハマってるからでしょう。
この設定も面白いですよね。オススメです。

10点

2013.06.30 Sunday 22:08 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ウエザ・リポート 見上げた空の色』  宇江佐 真理  文藝春秋

函館に住む、人気時代小説作家の日々

「髪結い伊三次捕物余話」シリーズなどで人気の時代小説作家によるエッセイ集第二弾。函館在住、主婦でもある彼女が日々を綴ります。




宇江佐さんのエッセイ集第二弾となります。
殆どが北海道新聞の夕刊に、ちょうど宇江佐さんが還暦を迎えた前後に書かれたもので、そのことに触れた話が多いです。
子ども達も離れ、夫婦二人となった生活。つつましく生きるのが江戸の時代に共通するのか、今の生活と当時と重ね合わせた表現も多かった気がします。
函館出身とのことですが、チャキチャキな感じは江戸っ子と変わらず…
宇江佐さんの思うまま、できれば一生小説家でいてほしいなと思います。。




2013.06.25 Tuesday 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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