警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。
久しぶりの横山作品でしたが、やっぱり惹きこまれますね。
大きな組織の中の一人が、どれだけ動かしていけるかというのも見どころですが、そういかない葛藤も見ものです。
過去の事件を何年か経ってから洗い出すとまた見えてくる真実。事件の流れと平行に進む過去と対立と一人一人の人生・生き方。横山さんのリアリティあふれる描き方に引き込まれます。長編なんですが一気に読めるのは、既に読み手側が横山さんの術中にハマってるからでしょう。
この設定も面白いですよね。オススメです。
>10点