<< February 2013 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 >>

『小さいおうち』 中島 京子  文春文庫

昭和初期、女中奉公にでた少女タキは赤い屋根のモダンな家と若く美しい奥様を心から慕う。だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、戦争の影もまた刻々と迫りきて―。晩年のタキが記憶を綴ったノートが意外な形で現代へと継がれてゆく最終章が深い余韻を残す傑作。著者と船曳由美の対談を巻末収録。

この時代設定をみると、戦争があって貧しい大変な時期と思っていたが、実際戦争の渦中にいた上流階級の人たちはどう思っていたのか。。今(現代)と昭和初期と入れ替わりながら書かれているが、クライマックスは一気に進むので読みごたえはある。
感じたのは、どの世でも人には青春がありそれぞれの人生があるということ。それは世の中がどう動いていても変わらないものなのかなということ。
読み終われば面白かったな〜。
ただ最初の方は読むのが進まなかったけど・・・。

8点



2013.02.05 Tuesday 10:28 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『 虚像の道化師 ガリレオ 7』 東野 圭吾 文藝春秋

東野圭吾の代表作、「ガリレオシリーズ」の最新短編集。
ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。その場にいた者たちは、男が何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りたと証言し、教祖は相手に指一本触れないものの、自分が強い念を送って男を落としてしまったと自首してきた。教祖の“念”は本物なのか? 湯川は教団に赴きからくりを見破る(「幻惑(まどわ)す」)。突然暴れだした男を取り押さえようとして草薙が刺された。逮捕された男は幻聴のせいだと供述した。そして男が勤める会社では、ノイローゼ気味だった部長が少し前に自殺し、また幻聴に悩む女子社員もいた。幻聴の正体は――(「心聴(きこえ)る」)。大学時代の友人の結婚式のために、山中のリゾートホテルにやって来た湯川と草薙。その日は天候が荒れて道が崩れ、麓の町との行き来が出来なくなる。ところがホテルからさらに奥に行った別荘で、夫婦が殺されていると通報が入る。草薙は現場に入るが、草薙が撮影した現場写真を見た湯川は、事件のおかしな点に気づく(「偽装(よそお)う」)。劇団の演出家が殺された。凶器は芝居で使う予定だったナイフ。だが劇団の関係者にはみなアリバイがあった。湯川は、残された凶器の不可解さに着目する(「演技(えんじ)る」)。
読み応え充分の4作を収録。湯川のクールでスマートな推理が光る、ガリレオ短編集第4弾


最近のガリレオシリーズの中では、湯川らしい着目で面白かった。
「幻惑す」では草薙が刺されてしまうといいうハプニングがあったがなかなか良かった。
草薙以外の登場人物も増えてきて、話が広がってきた感じかな・・。

8点

2013.02.02 Saturday 10:17 | comments(0) | trackbacks(1) | 
 | 1 / 1 PAGES |