限りなくキョウダイに近いフウフ (幻冬舎文庫 こ 5-12)
結婚は終了、つまり離婚てかたちにして、涼のお母さんとわたしが養子縁組すれば、涼と私は実子と養子の関係になる。わたしたちは法定的血族、法定上の兄妹になるわけ。夫婦が兄妹になる!?
フウフという関係よりキョウダイって感じの方が合ってるという結婚歴12年、子どもなしの30代の夫婦。
仲良し夫婦っていうのは分かるけど、わざわざ法的に兄妹になる必要があるのかどうか…。なんてことは、このフウフの周りでも大騒動になるぐらいに問い詰められる訳ですが。
お互い男女の関係が無くなったら分かれるべきなのか。一生一緒に居たいから夫婦よりも兄妹の形にしておきたいのか。それは単に逃げてるのではないのか…。
なんか軽く始まった話なのですが、どんどん重く深い話になっていきます。
お互い分かりあってこそ兄妹となろうとした筈なのに、真樹の気持ちは複雑になるわけです。
この話が出るまではきっと分かり合う何でもいえる二人だったと思うのですが、この一大決心をしてから、個々で考える時間もあり、相手のことを思えばこそ自分の考えを一旦とめてしまうことも。そしてガンバレ自分とわざわざ奮起してみせたり。
ラストではある程度の形で終着するのですが、完全に答えが出てるわけでもありません。
読み手に少し投げかけた形になるのかもしれません。
真樹の気持ちも分かるし涼の気持ちも分かる…私としては外野の声が正しいと思うのですが‥・・。
この二人が40代50代になったらどう思うのだろうか…。
物語ラストと自分(読み手)の気持ちが平行線なままなので、不思議な感覚ですが…、読まれる方は是非最後まで読んでもらいたいです。(私は最初挫折しましたが、改めて読んでみました/笑)
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8点