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■未完成日記2008■10月分まとめ。

[ その他 ]
<<本>>3
『妃は船を沈める』有栖川有栖
『ボトルネック』米澤 穂信
『戸村飯店青春100連発』瀬尾 まいこ

<<ビデオ・DVD>>1
『めがね』


シンプルなまとめとなってしまいました…。
引き続き有栖川さんの本を読んでます…といってるうちに新刊が出たり、東野さんの新刊も出たりと、読みたい気持ちと読むペースは比例しないようです
(ーー;)
2008.10.31 Friday 15:49 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『妃は船を沈める』  有栖川有栖  光文社

妃は船を沈める
妃は船を沈める

所有者の願い事を3つだけかなえてくれる「猿の手」。「妃」と綽名される女と、そのまわりに集う男たち。不穏な揺り籠に抱かれて、彼らの船はどこへ向うのか−。臨床犯罪学者・火村英生が挑む、倫理と論理がねじれた難事件。

作家アリスシリーズ。
もともと「猿の手」という中編に「幕間」「残酷な揺り籠」と続編を作ったという、有栖川さんの作品の中では珍しい物語の作り方で出来た一冊。

「猿の手」
車ごと海に飛び込み死亡した男性、しかしどうして海に飛び込んだのか。
この物語はウィリアム・W・ジェイコブズの『猿の手』を連想させるように作られ、フューチャーされてるのだが、それとは別に妃沙子という魅力的で個性的な女性が登場する。男性を囲うタイプの人なのだが、実年齢より若くお金持ちであること以外の情報はないところが逆にミステリアス。
その女性が数年後として次の「残酷な揺り籠」に登場する。
両方ともトリック部分は弱い、それより人の心理を利用したり逆手に取り、発想の転換を求められる、心理描写で読ませてると思う。
彼女の半生〜とまではいかないが、人生の一部が描かれていて魅力的な話だったと思う。
また新たな女性刑事も登場、どうもアリスの好みのタイプらしい(笑)
「残酷な揺り籠」というタイトルも事件に関わるあの揺れも関西出身らしい発想で上手い。
私はオススメです。

9点



2008.10.30 Thursday 00:50 | comments(0) | trackbacks(1) | 

DVD『めがね』

めがね(3枚組)
めがね(3枚組)(2007/日本)

海辺の小さな町にやって来たタエコは、素朴で小さな宿・ハマダに到着。宿の主人・ユージとその愛犬、さらには不敵なほほ笑みをたたえた女性・サクラらに出会う。何日かを過ごしたタエコは、マイペースに明け暮れるハマダでの毎日に違和感を覚え、別の宿へ移る決心をするが……。(シネマトゥデイ)

『かもめ食堂』の雰囲気をそのままに…いやそれ以上にユルく時間の流れる物語です。
めがね…っていうのは、話自体には関係なかったような(みんなめがね掛けてたけど)

1人っきりでゆっくり時間の流れた世界に来たつもりのタエコですが、ゆっくりのなかにもルールや決まりがあって。物々交換で食べるかき氷、地元の野菜などで作る食事、毎朝行われるメルシー体操……そして、海を見ながらの黄昏タイム。
まぁ無言の長い1カットシーンが多く、会話も少なかったりするのですが、何度となく出るフレーズにニヤリとしてしまいます。

みんな何処かから流れ着いたような人達、このユックリした時間が流れる場所に住むにふさわしい人達。
タエコの心の変化がわかるような…。
ちょっと平和ボケしちゃう作品でした。


…でもこの長い間に耐えられなくて早送りしてしまう人もいるだろうな・・・(笑)



2008.10.22 Wednesday 00:32 | comments(0) | trackbacks(12) | 

『ボトルネック』  米澤 穂信  新潮社

ボトルネック
ボトルネック

恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。

ファンタジックミステリーというのでしょうか…
もし姉が無事生まれ、僕が生まれてない世界。そこでは自分の周りの人はどうなってたんだろう、そもそも僕の生きた道は良かったのだろうか、それとも僕が仮の世界の住人で…。
夢の世界に引き込まれたような感覚、しかし見覚えのある風景の中、実際には出会うことの無いはずの姉と出会ってしまう。
その姉と会うことで、モヤモヤした部分が少しずつ分かり始めると同時に自分を否定してしまうことになる。
もしも、このときに選んだ選択が別なものだったら…と考えることがあるが、そもそもの出発点から【もしも】が始まってしまう。

パラレルワールドのなか、姉と僕との間違い探しに惹きつけられます。
初読みの作家さんなのですが、とても読みやすいですね。
たまたまですが何年か前に東尋坊に行ったので、あの高さを思い出すところから(つまり最初から)この舞台に入り込めたのかもしれません。

久しぶりのこの手の作品、新鮮に読むことができました。

8点
2008.10.15 Wednesday 00:24 | comments(4) | trackbacks(10) | 

『戸村飯店青春100連発』 瀬尾 まいこ  理論社

戸村飯店青春100連発
戸村飯店青春100連発

大阪、住ノ江にある中華料理店、戸村飯店の2人の息子は、見た目も性格もまるで正反対。アホで不器用だけどまっすぐな兄弟を追いかける、さわやか爆笑コメディー。

中華料理屋に生まれ、年子の男の兄弟なのに、見た目も性格も違う二人。
お互い馴れ合うこともなく、兄はさっさと家を出て行った。
器用で要領よく世の中を渡っていけるタイプの兄に対し、熱血で感情が表に出るタイプの弟。
という対照的な感じの2人兄弟、が離れて暮らすようになってからの様子が、関西のノリが上手く使われていて面白かった。
まだ二人とも若くて判らない事だらけ。それでも判らないと口で言える二人はこの兄弟の良い所。
反発しあう仲から、大人へと成長していく中での兄弟の姿。
なかなか、清々しくて面白い。
ウチも息子二人なので、余計に〜でしょうか。今後の二人が気になります。

10点
2008.10.10 Friday 19:51 | comments(2) | trackbacks(6) | 
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