『きよしこ』 重松清 (再読)
『不倫(レンタル)』 姫野カオルコ
『チルドレン』 伊坂幸太郎
『ラブコメ』松久淳+田中渉
『動物園の鳥』 坂木 司
『夜明け前に会いたい』 唯川 恵
『ラストシネマ』 辻内智貴
<<エッセイ・ノンフィクション・他>>3
『オオカミのあっかんべー―きむらゆういちの絵本エッセイ』 作:木村裕一 絵:あべ弘士
『新本格謎夜会(ミステリー・ナイト)』 監修:綾辻行人・有栖川有栖
『ちゃれんじ?』 東野圭吾
みかんのReading Diary♪…本など諸々の感想、あと気になるものをUP。。
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■未完成日記2004■6月分まとめ
[ その他 ]
<<本>>7
『きよしこ』 重松清 (再読) 『不倫(レンタル)』 姫野カオルコ 『チルドレン』 伊坂幸太郎 『ラブコメ』松久淳+田中渉 『動物園の鳥』 坂木 司 『夜明け前に会いたい』 唯川 恵 『ラストシネマ』 辻内智貴 <<エッセイ・ノンフィクション・他>>3 『オオカミのあっかんべー―きむらゆういちの絵本エッセイ』 作:木村裕一 絵:あべ弘士 『新本格謎夜会(ミステリー・ナイト)』 監修:綾辻行人・有栖川有栖 『ちゃれんじ?』 東野圭吾
『きよしこ』 重松清 新潮社 〈再読〉
[ >>>重松清 ]
きよしこ 重松さんの作品の中で好きな作品、図書館で見つけたので、即借りました。 (初読み2003/1/9) 短編連作集。 父親の転勤ため一箇所の小学校に長く居れない少年。話すと吃音がでてしまい、思いの半分も言えない。 小学三年の時、その少年に似た「きよしこ」に出会ってから、大学受験までの少年の成長を、大人になった自分がもう一度見つめ直す。 転校した先々の自己紹介のプレッシャー。親子のやりとり、クラスメートの事、部活の仲間との関係、受験前の出会い。 緊張すると更に吃音がひどく出てしまうのが少年のコンプレックス。この吃音が友人関係、親子、妹の事、全てに拘わってしまう。 どの年代にも外す事が出来なくて、また解決できる事でもなく、受け入れていくしかない。受け入れていくのに抵抗を感じ、また歳を重ねるごとに上手く乗り切る方法も見つけていくが。。。 人生の中で幸が不幸だけではなく、結果が出ずに過ぎてしまう事もある、その方が多い。 転校とコンプレックスの中で経験し成長してきた少年は、経験を受け入れ自分の事としている。その当時悩んだ事も悔しい思いをした事も。 成長してきた過程かあって今がある。それを出してしまうことが、大人になった自分、つまり重松さんは頑張ってきた少年を認めている。 だから、重松さんの作品には、とても重みがある。 ・・・又、読み返したい。 >10点
『不倫(レンタル)』 姫野カオルコ 角川文庫
[ 本作家別は行 ]
不倫(レンタル) 力石理気子(30代独身処女)は美人ポルノ作家。恋愛の過程よりスル事だけが目標と考える。それはアナクロな祖父に教育されてきたからかもしれない。そういう考えを持っている女性に、男性は恋愛感情は持てないらしい。 そんな彼女の前に恋愛の過程を大切にする「おフランス風」の霞雅樹(既婚者)が現れる「フ」(笑) …30代で〜と聞くと悲壮感があるのかな…?と思ったら全然。 むしろ明るくて、積極的で素直だ。心に思ったことがそのまま活字になるような(笑) なぜ、レンタルなのか…笑 とにかく、恋愛小説なのに笑える。理気子が素・なだけに余計面白い。 冒頭、伏字多そう…なのに、いやらしさが無い所が、返って面白かった。 >8点
『チルドレン』 伊坂幸太郎 講談社
[ >>>伊坂幸太郎 ]
チルドレン 表題含む5編の(一応)短編集。 陣内を中心とした鴨居、武藤、優子、永瀬達からの視点で書かれた短編集といったところなんだろうか。とても面白かった。 陣内という人物に驚かされたりはするが、巻き込まれていくのではなく、あくまで陣内は名脇役として存在している。その部分がとても面白いのだ。 「バンク」閉店前の銀行で銀行強盗にあう。その人質として鴨居・陣内・永瀬が知り合うことになるのだが…。緊迫した場面なのに、アッサリしてしまってるが、燃えてるのか空回りしてるのか、ツカミはOKぐらいの個性を発揮してくれてる陣内には。(笑 「チルドレン」家裁調査官の武藤は、新聞で前に受け持った子どもが誘拐されていることを知る・・・。「これを読ませるように」と同じ職場の陣内に借りた本には意外なものが挟んであった。確かに陣内の真似は出来ない・・・ 展開が次々変わってくのに、武藤の真面目で素直な青年が緩やかに、そして陣内や少年に刺激されながら成長するのがとても面白かった。 「バンク」から「イン」まで随分時間が流れて進んでます。 この時間の流れにある日常の一部分に、それぞれの短編の主人公の後ろ陣内が居ます。 みんなの写真に写ってるけど、センターに居ない・・・みたいな。 『インザプール』と『ニシノユキヒコの恋と冒険』を足して伊坂流にしたような・・・(返って分からない例え・・・爆) いつものパズル的要素もあり個性キャラあり、伊坂さんらしくないようで伊坂さんらしさが良く出てる作品で面白かった。 >9点
『オオカミのあっかんべー―きむらゆういちの絵本エッセイ』 作:木村裕一 絵:あべ弘士
[ 絵本 ]
オオカミのあっかんべー―きむらゆういちの絵本エッセイ〈1〉 『あらしのよるに』シリーズの他に沢山の絵本の原作を創ってきた木村氏の初の大人向けエッセイ。 『あらしのよるに』に出てくるオオカミ(ガボ)とヤギ(メイ)の会話方式で書かれている。。このシリーズには特別な思い入れがある分、この2匹が会話してるだけで、すごく嬉しい! 動物達の視線から見た人間達について話したりしてるのだが、結構鋭くついている…面白い。 木村氏の絵本キャラにはオオカミが主人公なのが多い、その中で3匹の違うシリーズのオオカミの座談会があったが、これも面白い。 絵本作家としてのイメージとは違う、少し辛口な部分もあるエッセイは面白かった。
『新本格謎夜会(ミステリー・ナイト)』 監修:綾辻行人・有栖川有栖
[ 本作家別アンソロジー ]
新本格謎夜会(ミステリー・ナイト) 2002年、新本格誕生一五周年記念のイベント「新本格ミステリフェスティバル」 の謎解きイベント&トークショーを再現。 謎解きイベントの方は、やはり実際にこのイベントに参加しないと分からない緊張感や 雰囲気があるので、それを文章で読むだけではちょっと物足りないが、 楽しい雰囲気はとても伝わって来て・・・羨ましい(笑) トークショーの方は、好きな作家さんや、名前や作品は知ってるけど 作家さん自体は良く知らない・・・という方まで、とても楽しく読めた。 謎解きイベントで刑事役をしていた九十九一が司会をしていたのだが、 良いツッコミで面白かった。(*^^*) 改めて新本格の先駆けとなったあ〜やは凄い人なのね。笑
『動物園の鳥』 坂木 司 東京創元社
[ 本作家別さ行 ]
動物園の鳥 引きこもりのプログラマー、鳥井真一のシリーズ第3弾完結編。 『青空の卵』『仔羊の巣』は短篇ながら、あらゆる事件を解決と同時に事件だけではなく、かかわった人たちをも救ってしまう。本格ミステリの面白さと、並行して進む鳥井の頑固たる引きこもらせせ、また独特の口調やコダワリ(料理の才能に長けていたり、土産物に拘る)が、今だハッキリしなかった彼の過去。また、坂木もどうしてそこまで鳥井に感情移入するのか・・・。 その謎を、この3作目の舞台、動物園で起こる事件によって解ける。 今回は今までに登場していた人達の中で、毎回レギュラーの位置にいた警察官の滝本が、昔の二人を知っている人物、そして物語の大きな存在になる。 登場する全ての人に生活や生きてきた時間があって、それぞれに違う生き方をしてきた者が、鳥井や坂木によって上手く大きな輪になっていく。 その色々な登場人物の経験が、台詞となって読み手に教えてくれる。 ラストには、成長した彼らが見れるはず。 11章辺りから、読み進めるのが惜しくなるほど・・・でした。 でも最後の最後まで・・・笑 すごく好きな作品(シリーズ)になった。 >10点
『夜明け前に会いたい』 唯川 恵 新潮社
[ 本作家別や行 ]
夜明け前に会いたい 作者が出身だという金沢を舞台にしたラブストーリー。 芸妓の娘、加賀友禅の作家、喫茶店のマスターなど、情景が詳しく伝わってくるだけに、 TVドラマのような話の展開に見える。それは金沢の町を知ってるだけに 2時間ドラマのような話に感じてしまうのは私だけかしら。 主人公を好きになれなかった。 しかし、分かりやすく読みやすいこと、とても淡々とした独特のテンポは期待どおり。 パッと手に取ってすぐに作品の世界に浸れる。 >6点
『ラストシネマ』 辻内智貴 光文社
[ >>>辻内智貴 ]
ラスト シネマ 主人公が小学三年生の時にあった、『あの夏の出来事』を、47歳になった今改めて思い出す・・・。 突然都会から帰ってきて入院してしまった雄さんは昔映画に出演した事があった。私は雄さんの話を聞くのが好きだった。世間が白い眼で雄さんを見ても、父や、和子先生、有楽座のおじさんらが、当時全盛だった映画ブームの中、たった1本の映画の1つの台詞を言った。その夢を叶えた雄さんを認めていた。雄さんはなにも動かない、しかし、生き様がみんなの心を動かした。 少年から見た、この時代の一本の映画への想いが伝わってくる。 エピローグ・は、同感に思う。以下「」内引用。 「うんざりするほどにリアルにおぞましさが氾濫し、日々その潮位が増していくような時の中で、そこにわざわざ・・・・略」 このご時世だからこそ、暖かい作品を読みたいと思う。 >私=作者に少し似た主人公の、懐かしい雰囲気はあるけど古くない。号泣したり気持ちの高ぶることはないけど、とても優しい話で良かった。 >9点
『ちゃれんじ?』 東野圭吾 実業之日本社
[ >>>東野圭吾 ]
ちゃれんじ? 40代になってからスノボにハマった東野さん、 さすが独身(笑)のフットワークの良さでアチコチすべりに行っている体験記。 いつも一緒に行く某編集長達とのやりとり、 閉館してしまったザウスへの熱い思い(笑) スキー場での出会いや、本格作家さん同士ですべりに行った話(クロケンさん、笑) オフシーズンでの、ハプニング! あとスノボには関係ない、このところ映画化されている(予定されている)作品の話・・・ 後短篇の書き下ろしなど、、、 タダでは済まない、いったい何時仕事してるの?と不安にさせるエッセイ集。
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