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■未完成日記2004■2月分まとめ。

[ その他 ]
<<本>>8
『ジェシカが駆け抜けた七年間について』 歌野晶午
『ホワイトグッドバイ』 松久淳+田中渉
『看守眼』 横山秀夫
『ニシノユキヒコの恋と冒険』
『ドミノ』 恩田陸
『幻夜』 東野圭吾
『蛇にピアス』 金原ひとみ 
『白夜行』 東野圭吾

<<エッセイ・ノンフィクション>>1
『なんといふ空』 最相葉月

<<ビデオ・DVD>>14
『トゥー・ウィークス・ノーティス』
『ホーム・アローン・4』
『ミニミニ大作戦』 
『S・W・A・T』
『暴走特急』
『八月のクリスマス』
『ラストプレゼント』
『インファナル・アフェア』
『THE ONE』
『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔』
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』
『クロスファイア』
『明智小五郎 対 怪人二十面相』TVドラマ・ビデオ
『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』アニメ
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2004.02.29 Sunday 06:07 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ジェシカが駆け抜けた七年間について』 歌野晶午 原書房

ジェシカが駆け抜けた七年間について
ジェシカが駆け抜けた七年間について

小さなマラソンクラブでオリンピックを目指す女性ランナー達。
常に新しい試みながらより自由に早くを目指す。
ジェシカは同じクラブのハラダアユムが夜中に出て行くのを、
追いかけてしまう。そこで見たものは・・・。

ドキッとするような展開は無かったが不思議な感じがずっとある話・・・
ちょうどオリンピックのあるこの年にマラソンの話はタイムリーで
なんとなくイメージしながら読めたが、このマラソンのトレーニングの仕方が
あまりにも自由すぎて、リアルさに欠けたような気がする。
ネタバレになるので書かないが、その大事なネタの部分が、
「そんなわけ無いでしょう、本気で信じるのだろうか・・」
と思うと最初から否定してしまうことになるので・・・ちょっとガッカリしたかな。

またアッと思わせる偶然・・・偶然にしては出来すぎていて、別な意味ビックリした。
ラストでタイトルの意味がなるほど・・と思わせるが・・・
タイトル長すぎて、覚え切れません・・笑

7点
2004.02.27 Friday 06:08 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ホワイトグッドバイ』 松久淳+田中渉 幻冬舎

ホワイトグッドバイ
ホワイトグッドバイ

最期のとき、あなたは誰と何を見ますか?

夫殺しの容疑を掛けられたまま元妻が死んだ。この事件をずっと追い掛けてきた刑事は残された娘を注目していたが…。

良かった(T_T)〜!!!でも女性向きかな。
刑事と容疑者と思われる親子との関係。もう残された時間は少ないと、最後に思い出の地にやって来た水川。その水川を追ってやってきたユーロポールの一瀬。。。
12年前の事件と今とが上手く合わさって、長かった一つの事件が終わる。

ラストがとても美しい。雪の北海道を舞台にロマンティックに進む純愛モノ。
少し登場人物が出入りしすぎるが、それも良しかな。
単純に読み感動したい人向け・・・。ミステリ色が強い話。

松久淳+田中渉コンビの作品の中では一番好きかな(*^^*)

9点
2004.02.26 Thursday 06:09 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『看守眼』 横山秀夫 新潮社

看守眼
看守眼

6編の短編集
警察と新聞社を舞台とした話は良かった。
仕事と家庭、職場の上下間など働く男の姿を一気に読ませるなぁ。

「看守眼」
近藤は留置場の看守官。
この春定年退職するのだが、最近一年前に起きた「死体亡き殺人・主婦失踪事件」で証拠不十分として釈放された男を追いかけている・・・。
女性から見てるので、事件としては冷めた目線だけど、近藤の看守(刑事?)の勘で、黙々と追いかける姿や、釈放された男の様子などジワジワ伝わってくる。静かな流れの話だけれど、良かった。

「自伝」
仕事を一つ失い困った時に、只野正幸はある社長の自伝を書き起こす依頼が来た。
そのインタビューの中に大きな事件を犯している事を社長が語り始める・・・。
社長の発言から推測ながら、色々思い描く只野。
困った時にどういう態度を取るのか・・・。
これもとても面白かった。

・・・一編一編面白いし外したものは無い。
「午前五時の侵入者」は横山さんの作品の中では新しい分野の話と思う。
どれも良いからこそ、もっと長編で読みたいな〜と思ってしまうのは我が儘だと思いますが・・・短編では勿体ない・・・。

8点
2004.02.23 Monday 06:10 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ニシノユキヒコの恋と冒険』 川上弘美 新潮社

ニシノユキヒコの恋と冒険
ニシノユキヒコの恋と冒険

10編の短篇連作集。
「どうして僕はきちんと女のひとを愛せないんだろう」
ニシノさんが付き合ってきた10人の女性達がニシノさんをどう思い好きになり別れたのか、女性の視線から描かれている。

ニシノさんは子どもの頃から不思議なオーラを出しつつ、ハンサムで女性にはとても優しく仕事も出来て×××が××くてモテる。なのに、付き合う女性とは、必ず別れが来る。
愛し方を知らないニシノさんは、結局女性から愛されることを知らないまま年を重ねていく。モテて女性の居ない時は無いぐらいなのに、とても淋しい。
ここで女性の目線で書かれている付き合ってきた方達はとてもシッカリしていて、ニシノさんを知ろうとしり、好きになろうとしている。。。が、とても掴みにくいニシノさんを、ずっと愛し続けるのは無理だと皆分かってしまう。そしてダラダラ付き合うのではなく、終わる。

自分に正直で、恋に恋するような心のまま、大人になってしまう。
表紙のように、女性の人生のなかでポツンと波紋を落としていくけど、誰とも交わらないそれぞれの中のニシノさん。
本人はとても淋しい人生なのかもしれないけど、周りの女性達からは、ちゃんとニシノさんを見つめている。

不思議・川上ワールドに、私はハマってしまいました・・・笑

9点
2004.02.18 Wednesday 06:12 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ドミノ』 恩田陸 角川文庫

ドミノ
ドミノ

7月の、ある昼下がり先輩に頼まれてお菓子を買いに走るOL、ミュージカルのオーディションを受けに来た女の子、俳句のオフ会に出るため上京してきたおじいさん・・・
本の始めに紹介されている27人と1匹が複雑に東京駅といういろんな人が集まる場所で次々と繋がってゆく。。

「27人と1匹という登場人物が、この単行本に入っているのか!」と、ドキドキしながら読み始めたけど、混ざることなくすんなり読めた。
偶然が重なる・・・というのはタマにある話だけど、これだけ微妙にずれながら重なって、また新たな偶然を呼ぶ。
ドタバタコメディ・・・三谷さんの舞台のようだと思ったのは私だけかな・・

東京駅の中でいくつものドラマがぶつかりあう。
27人と1匹がうまく設定され、それぞれの話が盛り上がるにつれ、他の人の話のなかに混ざっていってしまうのが面白かった。

8点
2004.02.14 Saturday 06:12 | comments(2) | trackbacks(4) | 

DVD『クロスファイア』

クロスファイア
クロスファイア(2000/日本)

 宮部みゆきのベストセラー小説をもとに、平成「ガメラ」シリーズの金子修介がメガホンを執ったサスペンス。“炎”を意のままに操ることの出来る念力発火能力=パイロキネシスを持つ少女が、凶悪犯罪の激増する現代社会に挑む姿を描く。矢田亜希子、伊藤英明、永島敏行、桃井かおり共演。少年グループによる、残忍な連続女子高生殺人事件が発生した。グループのリーダー・小暮は、未成年のため法の裁きもままならない。そんな中、青木純子がほのかに思いを寄せる同僚の妹が、事件に巻き込まれた。幼少の頃から自分の“力”を抑えていた純子は、法の網の目をすり抜け、世の中にはびこるキレた暴力に、怒りの執行を決意する・・・。
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2004.02.10 Tuesday 06:14 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『幻夜』 東野圭吾 集英社

幻夜
幻夜

ネタバレがあるかもしれません・・・未読の方はご了承ください。

1995年冬、水原雅也の父の葬式を行うその日に阪神淡路大震災が起きた。借金の請求に来た叔父が瓦礫の下から助けを求めるが殺害してしまう・・・その現場を新海美冬に見られた。震災という究極の場面の中、生き延びていく為二人は結束して東京へ上京する・・・。

震災はまだ記憶に新しいほうだが、今現在9年前の話、ここから話が始まる。
『白夜行』のように社会情勢を織り交ぜつつ、男女二人が主人公となり、少しづつ年月を重ねる。が、今度は雅也と美冬はとても近い位置に居る。そして影のように表には出ず、雅也を立てて同士という美冬と、色んな事を要求され振り回されるが、それでも尽くしてしまう雅也。耐え忍ぶのが男性の方になっているのが、美冬を強調させる。ラストの結果はなんとなく想像できたが、ただではその結末には行かない。

読んでいてあれこれ想像させる話だったし、『白夜行』とは別の流れの話だけど、年月の流れかた、この場面はどこかで・・・と、『白夜行』を読んでいると、繋がっている部分を発見しながら、また微妙なニュアンスの書き方がされていて、本筋『幻夜』のストーリーを楽しめつつ、別な楽しみ方も出来る。。。とても面白かった。

東野さんは究極の美を美冬で表したかったそうだ・・・(私は怖い女性に見えたけど・・・)確かに完璧な物を求める美冬ならそうするかな・・・いや・・・普通はしないでしょう・・でも時代背景に溶け込んだ話の中では、美冬ならやりかねない・・と思う。

この作品も読んでて心揺さぶられる・・・はっきりしないからこそ面白い。十分に楽しめました。

10点
2004.02.09 Monday 06:15 | comments(4) | trackbacks(3) | 

『蛇にピアス』 金原ひとみ 集英社

蛇にピアス
蛇にピアス

第130回芥川賞受賞作。

ルイは「スプリットタン」という二つに分かれた舌を持つ男アマとの出会いをきっかけとして、舌にピアスをし、ルイ自身も「スプリットタン」になり、自身を人体改造しようとする。

うむ・・・理解しにくいと思うのは、私が若くないせいか、ピアスや刺青に興味が無いからか・・・。

若いときは、自分にコンプレックスを持ち、常に変化していたいと思う。
身体に傷をつけて痛みを感じるのが生きている実感を得るということなんだろう。
自分の彼氏アマとは別の男性に魅力を感じるが、やっぱり彼氏のほうが良かった・・
自分が危ないことをやっていることに気付きながら気付かないフリ? 無気力な主人公が最後に怖さを知る。

ただ、それがこういう表現になるのがイマイチ分からない。ラストも今ひとつ、これで終わり?という感じはした。

しかし、、、作者自身が若くまだ人生の始まりの位置にいて、これ以上は作者自体成長中の為、こういう終わり方だったのかな・・・と思いたい。

6点
2004.02.05 Thursday 06:16 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『白夜行』 東野圭吾 集英社 (再読)

白夜行
白夜行

ネタバレがあるかもしれません・・・未読の方はご了承ください。



1973年(昭和48年)、オイルショックの頃、大阪の質屋の店主が廃墟ビルで殺された。警察は顔見知りの犯行として、廃墟ビルに行く前に立ち寄った、近くにすむ未亡人を疑ったが、彼女にはアリバイがあり、その未亡人も娘を残し亡くなり、事件も迷宮入りとなってしまった。この事件をきっかけに、話は、質屋の主人の息子・桐原亮司と未亡人の娘・雪穂を追いかけてゆく。

この事件から2〜3年位ごとに、その時代に起きた事件を織り交ぜながら二人の成長?行動を捉えているので、その時代の中に生きているというリアルさを感じる。それは読んでいて自然と自分のその時代の事を思い浮かべたりと感情移入してしまう。。
最初の事件をきっかけに二人の主人公が出てくるのだが、19年間、年月が経っていても同時に出会うことは無かった。これにはビックリ・・・。文章の中に接点があるのだろうと思わせるだけで、繋がってる場面がは見せない・・・。読み手の方に任されている。

少し前に出た『殺人の門』という作品で感想としては「とてもイライラした作品だった」と思った。だけど、東野さんの作品は、こうやって読み手の気持ちや心理を動かしてしまうんです。
(そうでないものも、ある・・・けど 苦笑)

10点
2004.02.04 Wednesday 06:18 | comments(16) | trackbacks(17) | 
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