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■未完成日記2004■1月分まとめ。

[ その他 ]
<<本>>9
『図書館の神様』 瀬尾まいこ
『ワイルド・ソウル』 垣根涼介
『ロックンロール』 大崎善生 
『風流冷飯伝』 米村圭伍
『ポケットの中のハピネス』 平中悠一
『くらのかみ』 小野不由美
『家守』歌野晶午
『東京湾景』吉田修一
『リビング』重松清

<<エッセイ・ノンフィクション>>2
『象を洗う』 佐藤正午
『男の出産』 松久淳

<<絵本>>2
『くつしたをかくせ!』 乙一
『Separate Ways 君のいる場所』ジミー著 宝迫 典子 訳 

<<ビデオ・DVD>>3
『ラブ・レター −パイランより−』
『ドライブ』
『英雄 −HERO−』

TVドラマ『木更津キャッツアイ』にハマって全話見てしまった。
面白かったな(^^ゞ
2004.01.31 Saturday 14:31 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『象を洗う』 佐藤正午 岩波書店

象を洗う
象を洗う

佐世保に在住しながら執筆したり飲みに行ったり競輪場に行ったりと
普段の正午さんがキャラクターのようなエッセイ。
デビュー作の「永遠の1/2」「リボルバー」が出来た経緯などが
分かって面白かったし、普段自身を文芸誌とか出ない作家サンなので、
(私が見ないだけかも知れないけど・・・)
読んでみてイメージがちょっと変わった(^o^;
面白かった笑

因みに・・・「象を洗う」は業界用語で「象」=小説一作品で、
その作品を完成させるまでの悪戦苦闘する様子を「洗う」と言うらしい。
エッセイ内で正午さんは一言見事に気持ちを言い当てた言葉に出会ったらしい。
それは・・・羨ましい(^^ゞ
2004.01.30 Friday 14:33 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『図書館の神様』 瀬尾まいこ マガジンハウス

図書館の神様
図書館の神様

今年、高校の講師となった清(キヨ)は、18才まで名前の通り清く正しく生きてきたが、「ある事」が、彼女を変え、追いつめていた。
間違わないことが正しいと思いつつ、現実はそうでもないことに気づきながらも対応しきれなく自分の心の中にとどめてしまう主人公。そのうちに心の拠り所にしていた彼に・・・。
まだ赴任して間もない顧問の先生を、静かに、でもしっかり見抜いてる垣内くんが、図書館で堅苦しく構えてしまうキヨを、ほぐしてしまう。

誰でも、いっぱいいっぱいになって、視野が狭くなったり意固地になったりして、閉じこもったり又誰かに当たったりすることもある。
その時に、聞いてくれたり分かってくれたり、意見してくれたり・・・それだけで、今まで見えなかったことが見えたり、あっさり解決したりする。
キヨは何年か引きずってきたことが、新しい環境になって、色んな人に会い開けていく様子が心地よく読めた。
 
キヨの問いかけや言葉に、「分かりました」とキヨの迷ったり、弱い部分を見つけるのが上手な垣内くん・・・。別に励ますわけじゃないけど、気づかせてくれる言葉を知ってる彼みたいな人を私は現実に見つけたいなあ〜笑
私自身、文芸作品の楽しみ方を知らなかったので、とても参考になった。苦笑

9点
2004.01.29 Thursday 14:34 | comments(0) | trackbacks(2) | 

『ワイルド・ソウル』 垣根涼介 幻冬舎

ワイルド・ソウル
ワイルド・ソウル

1961年、衛藤は一家は夢の楽園と信じてブラジルにやってきたが、
そこは後には戻れない地獄のような日々が待っていた。
そこでの生活は衛藤のすべてを奪い去ってしまった。
プロローグから始まる当時の「移民政策」の悲惨さ、人間をモノ以下として扱われていた悲惨な当時を知っている、わずかな人達。
40年もその苦しみに縛られて生きてきた人たちが、今どう思っているのか。。。

重いテーマながらも、酷い状況にありながらも生きていかなければという、衛藤達の強さが書かれていて、スラスラ読めた。
40年後の今、若い?ケイ達と昔を知る衛藤達は。。。。これ以上は書けない(笑)
話自体はスピード感があり、起伏があって飽きることなく読めた。
社会派の作品なんだけど、とてもエンターテーメントで映画になりそうな話。
ケイの行動は毎回読めなくてビックリさせられるが、ラストまで・・・。
とても面白くて良かった。

9点
2004.01.25 Sunday 14:36 | comments(2) | trackbacks(3) | 

『ロックンロール』 大崎善生 マガジンハウス

ロックンロール
ロックンロール

植村は二作目が中々書けないためにパリにまで来た。
元「熱帯魚ファン」の編集者だった遅くにデビューした作家。
パリに来て、20年前に2度だけ会い激しく愛した彼女を思い出した‥。

主人公の植村が作家になった経緯が大崎さんに似てるような…。
作家が主人公で一人称で書かれているせいか、大崎さんの文章自体がそうなのかもしれないが、文章が綺麗だ。
自分自身に問い掛けたり、女性編集者に掛ける言葉だったり、「鍋をたくさん磨け」〜とか。
セリフでない部分が詩のようにも思えるぐらいスッキリしてて綺麗だ。

20年前の話や今まで付き合ってきた彼女達との付き合いで、主人公が学んだ事(気づいた事?)を若い編集者二人に語る言葉が素敵だった。

主人公が自分の小説について言っているセリフとかあって、
「その場面にピッタリした言葉に出会えたらそれだけで感動する」
というのに、「それだ!」と私も思った・笑

8点
2004.01.20 Tuesday 14:37 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『風流冷飯伝』 米村圭伍 新潮文庫

風流冷飯伝
風流冷飯伝

一八が江戸からはるばるやって来た所は四国讃岐にある風見藩。
よそ者とすぐ分かるのか皆にジロジロ見られると思ったら、この藩では、男は城を左回りに、女は城を右回りに回って歩かなければならない、という定めや奇妙な取り決めが多くあるのだという。
一八が最初に知り合った飛旗数馬は藩士の次男坊。家禄を継げないため冷飯食いと呼ばれ、暇な時間をつぶす数馬に一八は、ある理由で一緒に過ごすことになる。。

せっかちで、人を疑って見てしまう一八が数馬のペースに巻き込まれ、数馬の友人達との出会い、急に将棋の勝負が藩内で行われるあたりから、少しずつ変わって行く。
冷や飯食いと呼ばれる次男、三男坊たち。家禄は継げないが、それぞれに長所があり存在に意味があるのと・・・落語調でのんびり穏やかに時間の流れの中で描かれている。

8点
2004.01.17 Saturday 14:39 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ポケットの中のハピネス』 平中悠一 河出書房新社

ポケットの中のハピネス
ポケットの中のハピネス

短篇4本+書き下ろしエッセイ1篇。初読み作家さん。
・・・だったので、この本はそれまでに出した本の、
番外編みたいな感じの本だった(汗)

数年前の自分を思い出して、あの時言えなかったことを、
改めて文章にしてみたら、素直に言えた・・・・。
とても変わった書き方、台詞「」は彼女の言葉にしか付いてない。
独特の雰囲気の青春恋愛モノかな。

この短編の話に出てくる人たちをもっと知りたいような・・・。
切ない系らしいので、いつかまた・・・。

7点
2004.01.16 Friday 14:40 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『男の出産』 松久淳 河出書房新社

男の出産―妻といっしょに妊娠しました
男の出産―妻といっしょに妊娠しました

超マメで細かい松久氏が妻の妊娠の様子‥を見る自分(笑)を書いてるエッセイ。
子どもを作ろうと言ってしたら、即出来た→出産日まできっかり書いてある。
妊婦並に物知りな旦那(笑)
しかしスケジュール表みたいな日記を書いてることが凄い。
結局、旦那(松久氏)が奥さんの身体を気遣ったり、これから生まれてくる子どもをとっても待ち望んでいる様子が正直に書かれているのが面白かった。

出産経験がある女性が読めば面白いかな。

何気に松久さんを制覇しようとしてるのか、ついつい読んでしまったけどエッセイは面白い。小説は切ない。。このギャップが・・・。
2004.01.15 Thursday 14:42 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『くつしたをかくせ!』 乙一 光文社

くつしたをかくせ!
くつしたをかくせ!

乙一クン初めての絵本、しかもクリスマスの話だ。
サンタさんはどうやってプレゼントを持ってくるのか?
これだけ大人が否定しちゃってるのだから、
大人がプレゼントを用意なんてしてない・・・と子どもは思うのだろう。
謎をさらに謎にしちゃう乙一クンらしい話だった(笑)
絵本でもホラー・ミステリ・ファンタジーを守ってるし(爆)

後書きや著者プロフィールの訳分かんない?文章は笑えた。
糊付けしなければ・・・

7点
2004.01.13 Tuesday 14:44 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『くらのかみ』 小野不由美 講談社

くらのかみ
くらのかみ

「講談社ミステリーランド」から出ている児童書。
もちろん大人も読めるが、2100円って高い。

夏休み、本家と呼ばれる親戚の家に皆が集まった。親戚の子ども達が蔵で遊んでいるうちに一人増えている。座敷わらしが子ども達の中にいる。誰が座敷わらしなのか?そのうちに大人の方で事件?事故が・・・
子ども達が探偵となって謎を解決してゆく‥。

小野さんといえばホラー色が強いイメージだったけど、子ども向けのためかゾクゾクする怖さは無く、何故・なに??が多かった。
素直に自分の子どもに読ませると考えると・・・子どもが読むには、登場人物が多すぎる。
補足となる人物相関図がないと分かりにくいかも。

大人が読むのには、面白かった。自分の子供の頃を思い出させる。(大きなおばあちゃんの家は謎めいて、面白いの古い建物からくる怖さとか・・・)
イマドキの子どもがこういう風景を思い出せるのか・・・なんて厳しいこと書いてゴメンナサイ。

8点
2004.01.12 Monday 14:46 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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