『送り火』 重松清
『影踏み』 横山秀夫
『五年の梅』 乙川優三郎
『オレンジガール』 ヨースタイン・ゴルデル
『幽霊刑事』 有栖川有栖
『虹果て村の秘密』 有栖川有栖
『LAST』石田衣良
<<エッセイ・ノンフィクション・他>>1
『お父さんエラい!』
<<絵本>>1
『ふたりの絵本 結婚。』 ナガオカケンメイ
<<ビデオ・DVD>>6
『セレンディピティ』
『ハッシュ!』
『アナザヘウ゛ン』
『グリーンマイル』
『あずみ』
『シカゴ』
みかんのReading Diary♪…本など諸々の感想、あと気になるものをUP。。
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■未完成日記2003■11月分まとめ。
[ その他 ]
<<本>>7
『送り火』 重松清 『影踏み』 横山秀夫 『五年の梅』 乙川優三郎 『オレンジガール』 ヨースタイン・ゴルデル 『幽霊刑事』 有栖川有栖 『虹果て村の秘密』 有栖川有栖 『LAST』石田衣良 <<エッセイ・ノンフィクション・他>>1 『お父さんエラい!』 <<絵本>>1 『ふたりの絵本 結婚。』 ナガオカケンメイ <<ビデオ・DVD>>6 『セレンディピティ』 『ハッシュ!』 『アナザヘウ゛ン』 『グリーンマイル』 『あずみ』 『シカゴ』
『送り火』 重松清 文藝春秋
[ >>>重松清 ]
送り火 9編からなる短編集。 富士見線沿線を舞台とした、9通りの家族が描かれている。 表紙が夕方(もしくは夜)沿線に沿って光る家からの光が星のように見える。 光の数だけ家庭があり、その一部を覗かせてもらっている。 家族、親子の部分を深く踏み込んで書かれていて、短篇集ながらどれもしっかり読める。 「かげせん」「よーそろ」「送り火」「もういくつ寝ると」が特に印象に残る。 「かげせん」 学校へ行く前に息子が亡くなった。なのに、郵便物はまだ息子宛てに届くダイレクトメール。 まだ息子の死を受け止めきれない母親、忘れることが本当の息子の死となるのを恐れ、毎日息子の分までご飯の用意をする。 前に進めなくなっている夫婦が思い出や空想の中に閉じこもってしまうのは、実際にある話かもしれない。でも、この中ではラストではちゃんと、次に進めている・・・実際にあるだろう悲しみの中から、ひとつ抜け出す道が書かれていて、それは重松さんらしい愛情じゃないかな・・・と思う。 「送り火」「もういくつ寝ると」は、どうしても自分と重ねて読んでしまって、辛かった。 自分が漠然と思っていたことが活字で表現されていることに驚き、ついつい涙。 >8点
『影踏み』 横山秀夫 祥伝社
[ >>>横山秀夫 ]
影踏み 真壁は、家人が寝静まっている所に忍び込んで盗みを働く「ノビ師」。 火事で真壁以外、家族が焼死したが、双子の弟は今も真壁の中耳にいる。 窃盗罪で服役からとかれた後、何故自分が捕まったのかを探リ始める。 いつも熱い主人公が多い横山作品だが今回は無口でクールな男が主人公になっている。 短編連作になっているので話が小さくまとまっているような気がするけど、 最後に探していた本当の答えに導いている。 話の盛り上がりに欠けるのが残念だけど、こういう横山作品があってもいいのかもしれない。 あえてテンションが上がり過ぎないように書かれてたのかな。 嫌いではない設定だけど、イマイチ盛り上がりも落ちも薄かったような気がする。 >7点
『五年の梅』 乙川優三郎 新潮文庫
[ >>>乙川優三郎 ]
五年の梅 全5篇からなる短編集。山本周五郎賞受賞作。 「ひどい回り道をしたが、いまからでは駄目だろうか」 〜と帯にあるように、 一度覚めてしまった・分かれてしまった夫婦、此処まで追い詰められた もう若くはない男女が、このあとどうやって生きていくのか、 どの道を選んでいくのか・・・このまま只流されて生きていくのかそれとも・・・ 「五年の梅」 助の丞は主君への諫言をしたために蟄居を命ぜられた。そのために友の妹・弥生とも別れたが、別れてこそ自分の愚かさを知り、自暴自棄に過ごしただ時の過ぎる日々を生きていた。 ある日、弥生が、頼れる者もない不幸な境遇にあると耳にし、弥生の為に何とかしてあげたいと思い始める。 自分が落ちる所まで落ちてしまった時・・・どういう風に考えるのだろう、どのような行動に出るのか・・・。行き詰まってしまった時どう進むのか・・・ この短編集ではどれもこのようなテーマになっているが、どん底に今居る自分・・それでも生きていたい、と思う、とっても大事なことを伝えてくれていると思う。 5編の中、どれもがいい。 >9点
『オレンジガール』 ヨースタイン・ゴルデル NHK出版
[ 外国作家 ]
オレンジガール 父は僕が4歳の時に亡くなった。それから11年、父からの手紙がおもちゃの中から見つかった。その中には「オレンジガール」との不思議な物語と、僕へのとても大切な質問が書かれていた。 その手紙を全て読み終えて、僕は父からの質問に対する答えを出さなければならない。。。。 自分が残り少ない人生と分かった時、父は息子に手紙を書くことにした、今4歳になる息子ではなくこの物語のような手紙がちゃんと受け止められる年頃になった息子宛てに。また、実際15歳という年で、偶然手紙が見つかる。 父親が、息子にした質問は、ただの自分の存在を認めて欲しかった我が儘な質問だったかもしれない、でも息子に、息子自身の存在意味を少しでも伝えたかったのでは〜と、思う。 物語は父と子が中心だ。母と娘とならこうはならないのだろう。決して難しくない、伝えたいことはとてもシンプルだった。 泣く感動はないけど、こういう伝え方もある・・・ちょっと回りくどいけどね。。 >8点
『お父さんエラい!』 重松清 講談社
[ >>>重松清 ]
お父さんエラい!―単身赴任二十人の仲間たち 単身赴任したお父さん達を、家族・父親・ふるさとをテーマとして 書いてきた重松さんがルポ、あと追跡取材している。 会社から強制的に言い渡される転勤。幸せな家族の形とは…。 家族と離れて暮らす色んなお父さんが何を思ってるのかが見れる。 家族の為に単身赴任をするのか 家族の為に一緒に転勤する、という道をとるのか。 それは各家庭によって違う。 この本で取材されているお父さん達は、ポジティブ思考で明るい、 明るくしてないとやってられない・・・という事もあるかもしれないけど、 単身赴任は、受け止め方に寄っては家族にとってマイナスな事ばかりでもない、 というのが分かる。 確かに大きな決断・失うモノもあるかもしれないが、 それは気持ちの持ちようで変えられる。 この本は読み手によって色んな解釈が出来ると思う。 重松さんのサラリとした、感想・コメントは、それを邪魔しなくて良かった。 とってもお父さんを応援している本で、なかなか良かった。 頑張ってるね、エライね〜なんて言われると、嫌な気分にはならない。 応援するのも、されるのも、お互いイイ気分になるよね・・・。 >8点
『幽霊刑事』 有栖川有栖 講談社文庫(再読)
[ >>>有栖川有栖 ]
幽霊刑事(デカ) ゴーストモノで本格で恋愛モノ・・・と私が好きなジャンルが全部入ってる。私の好きな本なので再読。 巴東署の刑事・神崎達也は気が付くと自分が幽霊になっていた。刑事課長の経堂に殺されてしまったのだ。同僚の須磨子との結婚が決まりかけ幸せの絶頂にあったのに・・・。 同僚の早川にだけ自分が見え、彼女には見えない。自分が殺された理由も分からず、その犯人は捕まらずにいる。。。伝わらない・捕まらないジレンマと、いつ自分が消えてしまうか分からない不安などを抱えつつ、唯一見えて話せる早川と共に、事件の捜査を始める。 犯人自体が先に分かってるので、推理するのには結果が簡単に分かってしまう・・・というか捻りが弱いと思ってしまうが、それだけがメインの話ではなくコメディタッチで早川とのやりとりや、主人公の逸る気持ちの揺れや、切なさが、とてもよく伝わって泣けます。 アリスシリーズには無い面白さ。 この手のモノも書けるのね。。と初読みのときに思った。 何度読んでも泣く。 この話は、犯人当てクイズのイベントに劇で一回上演されたものを小説化したものらしい。 劇・・見たかった‥。っていうか、見たい。どこかで、ビデオ化なんて話は・・・笑 >9点
『ふたりの絵本 結婚。』 ナガオカケンメイ 新風舎文庫
[ 絵本 ]
ふたりの絵本 結婚。 新風舎文庫って出来たんだ・・・などと、立ち読みで読んでいたら嵌って家で読んでました。 恋愛時代に、一秒でも長く居たいと思ったのに、結婚すると、当たり前になる。 恋愛時代の彼女も、今の奥さんも、同じ人なのに。 彼女の一言で大事なことを思い出させてくれてありがとう・・その感謝の意味を込めた絵本となっている。 結婚二年目、奥さんの誕生日プレゼントとして、個人的に書いた絵本。 1999年にデジタルハリウッド出版局 で初出、2000年に新潮社文庫・そして今回3回目。 初出してから数年経ち、今のこの夫婦の姿は後書きににある。 奥さんへの気持ちの変化を読むと、ちょっと泣けるかな。 事実は小説より〜やさしい文章の中に深い想いがある。 シンプルな文章ほど重いな(笑) >8点
『虹果て村の秘密』 有栖川有栖 講談社
[ >>>有栖川有栖 ]
虹果て村の秘密 「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」のシリーズ、書き下ろし。 児童書だけど文章は難しい漢字もそのまま使われていてる。 ただルビは沢山ついているし、難しい言い回しがないので読みやすい。 子どもの探偵・密室・アリバイ・ロジック‥と本格ミステリ要素は完璧?。 お約束の展開やラストのヒネリは懐かしささえ感じる。私も小学生の頃好んで読んでいたし、当時の私なら気に入っている筈だ。 子どもたちへのメッセージが沢山詰まっていて、良かった。 後書きを読むと有栖川サンは少年っぽいところがある。 子どもの頃、どんな本に出会い、どれだけ影響されたか、 少年時代の夢を叶えたことの喜びが伝わってくる。 有栖川さん自身、子どもがいないので、この本を読んで 同じように作家をめざす子どもがいたなら‥。と、強く思うのかもしれない。 >7点
『LAST』 石田衣良 講談社
[ >>>石田衣良 ]
LAST 直木賞受賞後一作目、7編からなる短編集。 7人それぞれの追い詰められた人たちの話、行きつく所まで追い詰められたその先、最後の選択を求められた時どう行動してしまうのか・・・。 殆どが追い詰められるのはお金・・落ちる所まで落ち、一発逆転、などとは出来ない。 救いがない状態だから・・・話のラストも落ちたまま・・・。7人の不幸を覗いてしまったようで、後味が悪かった・・・。 これを読んで何かに気付かなければいけないのかも知れない。どん底に落ちる人生もある、それはとても身近な所にあるのかもしれない。 しかし、できれば私は救いのある話のほうが好きなので、私には合わない内容だった。 4TEENとはまったく逆のモノを書いて読者を驚かせたい〜とイン・ポケットのインタビューで書かれてたけど‥いい驚きではなかった。 私は青春系?の方が読みたい。 >7点
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