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■未完成日記2003■9月分まとめ。

[ その他 ]
<<本>>10
『蹴りたい背中』 綿矢りさ
『日曜日たち』 吉田修一
『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫
『霞町物語』 浅田次郎
『光ってみえるもの、あれは』 川上弘美
『哀愁的東京』 重松清
『世界の中心で、愛をさけぶ』片山恭一
『武家用心集』 乙川優三郎
『姫椿』 浅田次郎
『星々の舟』 村山由佳

<<絵本>>2
『わすれられない おくりもの』スーザン・バーレイ[作・絵]  小川仁央[訳]
『さいごの恐竜 ティラン I’ll stay with you』村山由佳[文] 広瀬弦[絵]

<<ビデオ・DVD>>11((感想なし)
『13階段』
『ラストシーン』
『海は見ていた』
『壬生義士伝』
『LOVE LETTER』
『青い炎』
『マジェスティック』
『陰陽師』
『陽はまた昇る』
『卒業』
『陰の季節』(ドラマ)

<<音楽>>1
『2003 CONCERT TOUR ”Summer 4 Rhythm”』
2003.09.30 Tuesday 11:58 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『蹴りたい背中』 綿矢りさ 河出書房新社

蹴りたい背中
蹴りたい背中

主人公ハツは、高校に入ってからクラスに馴染めず孤立していたが、
同じように孤立していた「にな川」に目が行くようになった。
その「にな川」がファンの、モデルのオリチャンの話題で話すようになった。。

クラスメートの視線は気になり、なるべく目立たないようにしているのに、気になる「にな川」が自分の方に向いてくれなくって、とってもイライラする様子は、高校生らしいのか、可愛らしいのかよく分からないが、多分「にな川」が夢中になること自体に腹を立てる。普通なら相手のモデルの子に腹を立てるのだと思うが、そこまで視線が届かず「にな川」にイラついてしまう。それだけ彼に夢中になっていることに本人が気付いてないのが、若さなのだろうか(苦笑)

このぐらいの年齢の時はコンパスで測れるぐらいの輪の中が自分の世界で、その輪の中心にいつも自分がいる。毎日がドラマで、その主人公はいつも自分だった。・・・そんなハツの高校生活の一部を覗いた感じがした。

〜しかし、文章に慣れないせいか、読了しても終わったような気がしないのは何故でしょう。
文章自体は読みやすく、嫌ではない。現実に近い物語というより、日記やエッセイ風に読めてしまったのは多分私だけだと思うけど・・・自分がこの年の頃を思い出したかな。
似てると思うのは世界観がとても狭かったことが共通かも。

7点
2003.09.29 Monday 11:59 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『わすれられない おくりもの』スーザン・バーレイ[作・絵]  小川仁央[訳] 評論社

[ 絵本 ]
わすれられないおくりもの
わすれられないおくりもの

絵本です。
>物知りの年寄りアナグマは、みんなに頼りにされていた。そのアナグマがいなくなった時、周りの動物達はどうしていいのか分からなかった。。

大切な人が亡くなったとき、悲しみを乗り越えていくための一つの形が書かれてます。
子どもには、死に対する怖さを少しやわらげられるかもしれません。
大人には、アナグマのように生きていきたいと思うかもしれません。
自分の経験と照らし合わせながら読める本です。。。
2003.09.28 Sunday 12:01 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『日曜日たち』 吉田修一 講談社

日曜日たち
日曜日たち

日曜日をキーワードにした、5編の短編連作・・・?かな。
一つ一つは違う話だけど、それぞれの話の主人公たちが、九州から出てきた兄弟に出会っていく。
ラストまで読むと、短編集ともう一つ大きな繋がりのある話になって、全体をまとめている。

短編は、それぞれ東京で一人暮らしの男女が、今ドキ若者?の生活を切り取ったような話がとてもリアルな感じがする。その人ごみの生活の中で出会う兄弟をキーワードにしてすれ違う様子は、より話がリアルに実際にあるかも・・・と思わせてくれる。
現実にカナリ近い話・・・というのが、吉田さんの話の良さなのかもしれない。

8点
2003.09.27 Saturday 12:02 | comments(0) | trackbacks(2) | 

『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫 文藝春秋

クライマーズ・ハイ
クライマーズ・ハイ

北関新聞の記者・悠木は、安西と衝立岩に登る予定だったが、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落。悠木は登山を中止、全権デスクとして情報の収集を始める。

この大きな事故を地元の新聞記者の部下が取材し、記事にする。ここでも、横山サンの主人公は現場に出ず集まる情報をまとめ、指示していく。この緊迫感が凄く伝わる。
他社とのネタの取り合い、また同じ社内での確執、締切との戦い、載せられない記事の限界〜が次々と描かれていて、読んでいても息つく暇も無い。
事故から怒涛の一週間が新聞記者の目線で書かれている。

横山さんが85年御巣鷹山日航機墜落事故を、上毛新聞記者時代に実際取材した内容はまさに事実で、言葉も重い。
とにかく新聞社内部の話はとてもリアル。スピードス感があって、舞台となる新聞社内部の慌しさをそのまま体験してしまった気になる。

実質一日で読了。良かった。

9点
2003.09.21 Sunday 12:03 | comments(4) | trackbacks(3) | 

『霞町物語』 浅田次郎 講談社

霞町物語
霞町物語

昔は霞町と呼ばれていた町に冩真館があり頑固で粋な祖父と父が店を営んでいた。
役30年ほど前、主人公が高校生だった頃の祖父母や両親、懐かしい日々が雰囲気よく書かれている。
浅田サン世代には懐かしい、(浅田サンの自叙伝なのかな?)
私世代には粋でイナセな世界が見れて良い感じでした。

7点
2003.09.20 Saturday 12:04 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『さいごの恐竜 ティラン I’ll stay with you』村山由佳[文] 広瀬弦[絵] 集英社

[ 絵本 ]
さいごの恐竜ティラン―I’ll stay with you
さいごの恐竜ティラン―I’ll stay with you

「一番、大切な人に贈りたい」・・・帯より・・

草食恐竜のお母さんは最愛のお父さんと子どもを失い涙に暮れていたが、そこには肉食恐竜の卵が一つあった。

草食恐竜の母と肉食恐竜の子どもティランの親子。。
子を思う母親、母親を大事に思う優しいディラン。
ラストはとても切なくなりますが、親子の愛情について考えさせられます。
現代ではなく、絵本・・・恐竜を登場させたのが、生と死がよりリアルに感じ、
また胸を打ちました。

大人が読んでもとても心に残る作品。
2003.09.19 Friday 12:05 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『光ってみえるもの、あれは』 川上弘美  中央公論新社

光ってみえるもの、あれは
光ってみえるもの、あれは

江戸翠(みどり)は16歳の高校生。
フリーライターの母・愛子と祖母・匡子との三人暮らし。それからよく家に来る大鳥さん。不思議な距離感があり、個性的な大人の中で、翠が大人へと成長していく。

主人公が、普段平静を保ちながらも、内面はとても冷めたり、ふとしたことに色々考え熱くなったり・・・、と少年期の気持ちの揺れが表されていた。
そつなく大人の言うことを聞いてきた翠が、友人の花田や平山水絵との出会いで、次第に自分の中にある、本当の気持ちを見つけていく様子が良い。

四年生の時から、言葉にはしなかった思いが、花田との夏の経験から決断へといく姿はナカナカ良かった。

寓話的な話が多い川上さんの作品の中で、この作品は少年の成長記になる。
読み始めの少し変わった家族の理由も最後まで読めば、私は納得できるものだと思ったし、その部分が一番話の大事な所だった。
その点が最後にはとてもリアルに感じる話だと思う。
高校生から見る、複雑な大人の事情は読み初めに感じたものと、同じなのかも知れない。

主人公と母との設定から、川上さん自身に近い作品ではないか…と勝手に想像した。

8点
2003.09.17 Wednesday 12:06 | comments(2) | trackbacks(1) | 

『哀愁的東京』 重松清 光文社

哀愁的東京
哀愁的東京

新藤は2年前「パパといっしょに」という絵本を出し賞を獲ったが、その後絵本が書けず、ライターとして生活を繋ぐ。
妻と娘とは別居、出版社の担当からは絵本の次回作を迫られるが、「パパといっしょに」を書いた経緯や思いが、絵本を書く意欲を無くさせていた。

主人公が、重松さんに似た年令、ライター出身〜も似ていて、重松さんのテーマとする家族、若かった頃を思い出させる懐かしさ+今回は人との別れ〜があった。
主人公が見つけた次回作は、別れ・離れていくモノから得ていく、という思い出を書き留める作業となった。

ストーリー的には、『パパといっしょに』の部分がもっと知りたかった。
ピエロとのやり取りももう少しあると、私の貧相な想像力を助けてくれたはず(苦笑)
ラスト公園のシーンは、主人公のこれから書いていく作品のテーマを見つけられたようでホッっとした。(シマちゃんの気分)

大人になって忘れかけていた何かをいつも思い出させる重松世界は、作品を読むと自分の思い出まで、引き出してくれるから好きだ。

8点
2003.09.14 Sunday 12:07 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『世界の中心で、愛をさけぶ』 片山恭一 小学館

世界の中心で、愛をさけぶ
世界の中心で、愛をさけぶ

中学生からずっと付き合っていた彼女アキが病気により亡くなった。
彼女との思い出と、亡くなった彼女への思いが書かれた物語。
純愛と死〜残された者の気持ちは切ない…に決まってる。
この手の話はストーリー自体に入り込んでしまうのもあるけど、
自分がこの立場だったら〜と考えさせる。

この頃恋愛モノをよく読むので、少し物足りなさは感じる。
しかし・・・主人公の年齢なら、ハッキリしすぎない表現のままで良い。
何も比べない・彼女と主人公・主人公のおじいさんとの
やり取りが上手くフォローしていたと思う。
若い人向けかな・・・・・・。

7点
2003.09.12 Friday 12:09 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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