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■未完成日記2003■7月分まとめ。

[ その他 ]
<<本>>15
『プール』 松久淳+田中渉
『恋火』 松久淳+田中渉
『ストロボ』 真保裕一
『娼年』 石田衣良
『熱球』 重松清
『永遠の咎』 永瀬隼介
『象牙色の眠り』  柴田よしき
『ZOO』  乙一
『4TEEN』 石田衣良
『リセット』 北村薫
『セイジ』 辻内智貴
『おわらない夏』 小澤征良
『きみのためにできること』 村山由佳
『蒼穹の昴(上・下)』


<<エッセイ・ノンフィクション>>2
『初等ヤクザの犯罪学教室』 浅田次郎
『勝負の極意』 浅田次郎

<<絵本>>1
『白い船』 早坂真紀[文] 山口はるみ[絵]

<<ビデオ・DVD>>2
『AIKI』
『壬生義士伝』
2003.07.31 Thursday 14:02 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『プール』 松久淳+田中渉 小学館

プール
プール

*絶対零度の恋愛小説                      
*伝えたいことがあります。                   
*同じ時を生きているあなたに伝えることが大切なんだと思う−−。


30歳で独身、一人暮らしをしている瑞穂のもとへ差出人のない手紙が届くようになった。それは瑞穂宛ではなく誰かに宛てられた手紙だった。

この瑞穂の現在と、瑞穂の友人、自動車メーカーを突然辞め、アメリカを旅する広戸壮一の旅の様子、また、広戸の高校時代の思い出の三つのシーンを、上手く交互に進められていく。
その三つのシーンが手紙によって、次第に繋がっていく。

読み始め、登場人物も多く(実際メインの人たちは少ないのですが)どう話が繋がるか分からなかったが送られてくる手紙が本題に触れてくると段々話は繋がってくる。

活字にする事で気持ちを整理する為の手段とした、手紙の主。
今現在の思いを、日記にするのではなく手紙にしたのは、気持ちの中では整理がつかず、書くことによって、じぶんの気持ちをまとめ、今はあう事の無い相手に届けたかったのだろう。

最後に届く手紙には受け取った側の気持ちは書かれていないが、それぞれに胸に深く残る物になっていた。

ロマンチックというより、ドラマチック??・・・なかなか心引かれる言葉も多く、
この本も、また読み直したくなる本でした。

8点
2003.07.27 Sunday 14:06 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『恋火』 松久淳+田中渉 小学館

天国の本屋 恋火
天国の本屋 恋火

『天国の本屋』シリーズ 第三弾。

天国の本屋でアルバイトすることになった健太は元?ピアニスストなのに、本の朗読をする事になった。そこに来る女性と健太の意外な繋がり。

香夏子は商店街の活性化のため、十年程前まではやっていた花火大会の再開を考え、その時話題になっていた花火師に交渉に行く。

健太の(天国の)世界と香夏子の世界がだんだん繋がっていく・・・というのは読んでいくにつれすぐに分かるど、分かっていてもこう繋がるんだなと感心するのと、繋がってよかったという安心できるのが良い。

7点
2003.07.26 Saturday 14:07 | comments(2) | trackbacks(2) | 

『白い船』 早坂真紀[文] 山口はるみ[絵] 新潮社

[ 絵本 ]
白い船
白い船

「あの白い船に乗りたい!」島根県平田市塩津町にある全校生徒17人の小学校に通う、唯一の6年生好平は、いつも教室から見える白い船を指した。

好平の大きな夢をこの夏、かなえようとしている。
一人の男の子が言い出したことが皆を巻き込んでいく。その強い気持ちは、生徒達を輝かせ、先生達を動かし、町の人や、白い船(フェリー)の船長までも動かす。


この話は実話を元にした映画を更に絵本化したものなので、同然、実在の町や小学校があり、映画化されるに当たってフィクションも混ぜながらの話になっている。映画では海や森、山の美しさや田舎ゆえの風習など、また船のシーンは壮大だが、絵本では枚数も制限されているので、物足りない。こちらを先に見ればもっと印象に残ったのだと思うけど。
テーマが広がり過ぎてない分、子どもが読むにはちょうどいいかも。絵本のシンプルなところは、イマイチに思えるが、海と空と白い船とのコントラストは良かった。

http://www.interq.or.jp/white/ishiyama/column22.htm

6点
2003.07.25 Friday 14:09 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ストロボ』 真保裕一 新潮文庫

ストロボ
ストロボ

プロの独立したカメラマン喜多川の50歳から22歳までの、カメラマンとしての半生を5つの章を追う事に過去に遡りながら描いている、短篇連作。
50歳の章では死期を目前とした女性に遺影の撮影を頼まれる。彼女は過去にあった事があった。・・・この辺から喜多川の過去への流れがはじまる。42歳 37歳 31歳 22歳とその時その時の喜多川のカメラマンとしての確立したシーンが思い出としてではなく現在として書かれている。
今プロとして仕事に慣れてきた主人公も若い時にはこんな考えを持ち、色んな経験を乗り越え現在に至る、というのが話を遡る事によって40代の彼がいるのは30代の彼がいたからだという確認のようにも思えた。

個々の章の話だけでも面白いが、全体通しての話や隠れたテーマがあることに、あとがきを見てなるほどと、2度楽しめる。
この本も、読了してから、又読み直したくなる本だった。

8点
2003.07.24 Thursday 09:32 | comments(2) | trackbacks(1) | 

『娼年』 石田衣良 集英社

娼年
娼年

20歳のリョウはバーでアルバイトをしている学生。
少年時代、母を失ったトラウマが彼の性格を作ってしまったのか、毎日がとてもつまらなく思えた。
ある日、バーに来ていた御堂静香にコールボーイとしてスカウトをされ、退屈な日々が一転する。

リョウがいろんな女性と会うことで、性的な感情とは別に色んな人間の内面を知る。
別にエチしなくても分かる方法があるでしょう・・・と、言ってはイケナイか。実際此処まで無くても似たようなのはあるんでしょうね・・・。
リョウがこの仕事をして自己理解・成長出来たかどうかは分からないが、リョウが静香の言葉を正当化しすぎて捉えてるのがちょっと嫌だった。
同級生の女の子の意見の方が、もっともだし偉いなぁと。静香の方がもっともらしく言っていながら、しかし愛情があったら、コールボーイとしてはスカウトなんかしない、自分の経験があれば・・・と思うけど。

7点
2003.07.23 Wednesday 14:11 | comments(0) | trackbacks(2) | 

『熱球』 重松清 徳間書店

熱球
熱球

リョージは会社での意見の違いによる休職、実母の死、妻のボストンへの留学などを機に、20年ぶりに一人娘、美奈子を連れて故郷へ戻ってきた。
20年ぶりに戻る故郷の街並みは、まるっきり変わっているようで、昔と変わらない田舎の風習を今だに引きずっている街だった。

高校球児だった頃の思い出、チームメートとの出会い。地元から離れなかった口うるさい母、寡黙な父との親子関係。離れて暮らす妻や娘の家族。一昔前栄えた、今はもう寂れた商店街。。。など、重松サンのテーマとする題材が全部入ったような話だった。

主人公は甲子園の夢を絶たれた時から、逃げるように東京へ飛び出し、何事も上手くいかず、投げやりになって戻ってきた。どちらに腰を据えるか決断できない主人公に、かつてのチームメイトは、何度も言葉を掛ける姿は、持つべきものは・・・と考えさせる。

高校時代と今とを比べる・・・そしてこれから。同世代の人には共感できる物があるのでは。

7点
2003.07.22 Tuesday 14:13 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『永遠の咎』 永瀬隼介 光文社

永遠の咎
永遠の咎

2003年3月に読了済ですが、再読。

歓楽街にある無認可の託児所「ひよこハウス」に預ける元ホステスの綾乃は、夫を轡田に殺され、幼い息子貴浩と二人で必死に生きていた。その轡田から一通の手紙が届く、それはこれから始まる自分の咎の始まりだった。
同じ託児所に子どもを預けている冴えないホスト・貞夫や、ヘルスで働く聖子も、綾乃と同じく片親のまま子どもを育てている、その二人をも巻き込んでいく轡田のの強引さや荒っぽさは目を塞ぎたくなる。轡田がなぜ綾乃や子どもに拘る理由が分からないまま、でもスピードのある文章に荒っぽい描写もそのまま過ぎて行ってしまう。
荒々しい轡田の行動と、綾乃達の子ども達の無邪気な様子が、交互に、または並行して出てくる。天使と悪魔が同居しているストーリーだ。

子を持つ親の強さ弱さ、子どもの無邪気さ・・・弱く見えた綾乃たちが、一番大切なものを逃げずに守り抜く。最後は切なく、でも子供達はラストまでも天使だった。

8点
2003.07.21 Monday 14:14 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『象牙色の眠り』  柴田よしき 文藝春秋

象牙色の眠り
象牙色の眠り

瑞穂は、夫の借金を抱え、京都の資産家、原家で家政婦をしている。
どこか冷たく謎の多い住人達だったが、その住人達が次々と事件に巻き込まれていく。

本格ミステリ。今回はドタバタするシーンがなく、淡々と書かれている。
主人公も、原家に仕えて仕事をこなす・・・感情の揺れは、夫に対してのものだけだった。
話が進むほど犯人が分からなくなる・・・それでも事件は次々に起こってくる。
最後まで読むと伏線としてあったモノがドンドン繋がっていく面白さが感じられて良かった。
最後の最後まで、ちゃんと話が作られていて、そうか!と唸らせる。

8点
2003.07.20 Sunday 14:15 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ZOO』  乙一 集英社

ZOO
ZOO

表題含む10編の短編集。

相変わらず乙一ワールド。『ZOO』とタイトルが付いている様に、ホラーでもグロ系からブラックユーモア??のような話もあり、とそれぞれ。この独特の世界は短篇でないとついていけないかも。

『カザリとヨーコ』は『4TEEN』を読んだ後だっただけに、一回本を置いてしまったが・・・気を取り直して再開。ん〜最後の所は読めてしまったのでチョット残念。

『陽だまりの詩』『SO-far そ・ふぁー』は切ない系、良かった。
『冷たい森の白い家』『SEVEN ROOMS』はグロホラー系。
好きでは無いが、発想できない展開だった。。

確かに得意ではないジャンルなんだけど、結局一気読み。短編集だからだと思うけど。。
どれも、現実とはカナリ逸してるし、冷めていてドライな文章だから読めたかな。
長編でもっと生々しいと、本当に気持ち悪くなるかも・・・。

ただ、どれも話の展開は読めないし、ラストにはちゃんと一ひねりがある。
(『カザリとヨーコ』『落ちる飛行機の中で』はソウでも無かったが・・)

ホラーでも色々ある、ファンタジーからブラックまで・・でも、どれも切ない話ばかりだった。

7点
2003.07.19 Saturday 14:16 | comments(0) | trackbacks(1) | 
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