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■未完成日記2003■5月分まとめ。

[ その他 ]
 <<本>>15
『繋がれた明日』 真保裕一
『今日を忘れた明日の僕へ』 黒田研二
『玄冶店の女』 宇江佐真理
『有栖川有栖の密室大図鑑』  有栖川有栖[文]磯田和一[画]
『愛がなんだ』 角田光代
『顔』 横山秀夫
『橋ものがたり』  藤沢周平
『おれは非情勤』 東野圭吾
『神々のプロムナード』 鈴木光司
『重力ピエロ』 伊坂幸太郎
『スイス時計の謎』 有栖川有栖
『アンクルトムズ・ケビンの幽霊』 池永陽
『深尾くれない』 宇江佐真理
『薔薇盗人』 浅田次郎
『ウェディング・ドレス』 黒田研二


追記:2010/06/07
2003.05.31 Saturday 00:08 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『繋がれた明日』 真保裕一  朝日新聞社

繋がれた明日
繋がれた明日

仮釈放後、社会に出ると、そこには想像以上に世間からの視線をあび、本人だけじゃなく家族まで辛い目にあう。
静かに迷惑をかけず暮らしたいと思うのとはウラハラに、昔の仲間からの訪問や、中傷ビラを撒かれたりと、自分の思い描く方向とは別の方に進んでしまう。

主人公のセリフはリアルで胸が詰まる。罪の意識に苛まれるのと、自分を否定する周りへの反発が混ざり、主人公を悩ませる。それがリアルに書かれていて、読むほどに引き込まれる。
最初はとても反発的で、何故どうして・・が多かったが、それを自分で突き詰めていくうちに、自分の家族の想いや、被害者家族の気持ちを直接知ることになる。
罪を犯した事実は変わらない。でも遠回りした6年間、仮釈放されてからの日々で確実に前の自分とは変わっている。。

9点
2003.05.29 Thursday 13:33 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『今日を忘れた明日の僕へ』 黒田研二  原書房

今日を忘れた明日の僕へ
今日を忘れた明日の僕へ

 嵐の夜、交通事故にあったらしい僕は記憶を蓄積できなくなっていた。寝てしまえば事故前の自分の記憶に戻る、そんな生活を半年も続けていた。毎朝パニックになる僕に妻は今までの日記を見せる。。。そこには覚えの無い僕の行動と、パズルのように散りばめられている事件へのキーワードが隠されていた。
 
 主人公の設定にまず興味を惹かれそのまま読み進められた。話が主人公が起きたところ、つまり記憶が無くなっている状態からなので、主人公同様手探りで日記を紐解いていくのは面白かった。今日一日の中に主人公がドンドン事件を追い始めていく様子はスピード感があって一気に最後まで読めた。
 それにしても・・・些細な事の積み重ねから殺意を持つのね・・・

8点
2003.05.27 Tuesday 13:34 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『玄冶店の女』 宇江佐真理  幻冬舎

玄冶店の女
玄冶店の女

8篇からなる短篇連作集

「玄冶店」(げんやだな)と呼ばれる狭い路地には、幾つかの商家の他は黒板塀を回した妾宅が多い。
 お玉は元、吉原半籬「ぶどう唐草屋」の花魁だったが、三年前、小間物問屋を営んでいた籐兵衛に身請けされて玄冶店に住むようになった。お玉の店「糸玉」には妹のように慕ってくるお花とお喜代、「小母ちゃん」といつも甘えてきて、それでいて大人びた八つになる小梅…が、安らげる場所として立ち寄る。。。

 似たような境遇にあるお花やお喜代や、小梅の話し相手となったり…と、相手を思いやる静かで情の厚い姉御は、とても魅力的。それに小梅の手習いの先生、青木陽蔵への想い。。。また、とても会話がたのしいし、小梅のおちゃっぴいな姿はとても可愛らしくて、読み始めるとすぐ「玄冶店」の中に入り込んでしまう。それだけに、お玉の一喜一憂がストレートに伝わってくる。
日常の出来事を追った話だけど、季節感とそれぞれ登場する人物の人となりが分かり、お玉の周りでゆっくり、でも確実に変わる風景が、時の流れを感じさせる。
 
いつも切なく淋しいのだけど、一人じゃない。人情味あふれ、心温まる話だった。

10点
2003.05.26 Monday 13:36 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『有栖川有栖の密室大図鑑』  有栖川有栖[文]磯田和一[画] 新潮文庫

有栖川有栖の密室大図鑑
有栖川有栖の密室大図鑑

アリス…とあれば、とりあえず飛びついて読んでしまう(買うかどうかはさておき)
業というか性というか。解説本に感想もあるか?と思うが、一応。

ミステリといえば、密室モノは欠かせない。この本に紹介されている本は選びに選ばれたモノばかり。未読の方には本選びの参考になり、読了されてる方には、なるほどと納得できる本じゃないかと思う。
…という私も読んでない本が殆どだから、この本片手に図書館で借りてみたいと思う。未読の人が読んでも大丈夫。ネタバレは全然してない。。らしいから。だからこそ、つい読んでみようかと思ってしまう。
とにかく細かく読み込んで書いてあるので知っている作品にはうなずきも多い。
図解入りでは楽しめないという方も居るかも知れないが、想像力の乏しい私にはうってつけだ。
ありがとう、有栖川さん。

解説文、これも何故か面白くて楽しい(*^^*)
懐かしい江戸川乱歩とかクイーンのは、むか〜し読んだっきりなので是非再読したい。
2003.05.25 Sunday 13:38 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『愛がなんだ』 角田光代  メディアファクトリー

愛がなんだ
愛がなんだ

食事に誘われれば、たとえ大事な用事があってもすぐに飛び出していくし、電車もない時間に「それじゃ・・」と家を追い出されては嫌われたのではと、そのことだけで頭がいっばい…、とマモちゃん中心で周りが全然見えなくなる。
マモちゃんのそばでは都合のイイ女であっても傍にいたい、と思うテルコを見るのは、読んでいて痛々しい。
マモちゃんに好きな人が出来て、深く傷ついても、それでも繋がっていたい。ラストあたりは、更に理解しにくくなってきたけど、見返りを求めない愛情はイイのか悪いのか…
恋する女性は幸せだけじゃなく、淋しく虚しいこともあるのね・・・・

7点
2003.05.24 Saturday 13:40 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『顔』 横山秀夫  徳間書店

顔 FACE
顔 FACE

平野瑞穂は、鑑識課の機動鑑識班で似顔絵を作成する専門職をしていたが、一年前の事件により秘書課の広報公聴係へ配属となってしまった。
幼い頃の夢を実現させたはずなのに、納得がいかず、また男社会の中での女性の扱いに不満をもち、職場の女性同士の妬みややっかみに、大いに心を揺るがされてしまう瑞樹。

警察官には不向きのような、優しすぎて情にも流される主人公にそこまで婦人警察官に拘るのか、よく分からなかったが、それでも似顔絵を一番得意としてきた所から犯人を導きだしていく所は良かった。

横山さんの作品にしては迫力には欠けるが、男女平等とか強くうたう女性ではなくて、女性ならではの感情を主人公に表させたかったのかなと思った。

7点
2003.05.23 Friday 13:41 | comments(2) | trackbacks(1) | 

『橋ものがたり』  藤沢周平  新潮文庫

橋ものがたり  新装版
橋ものがたり 新装版

橋をキーワードにした10編の短編集。

川に掛かる幾つもの橋は一種の待ち合わせ場所、橋の上は正面から顔を合わせる場所。
そんな橋を舞台にした10編はどれも良い。

「約束」
 「5年後にこの橋で会おう」と約束をした、その約束があったからこそ今まで頑張ってこれた・・
「赤い夕日」
 夫に女がいる・・という噂を聞き、急に夫にさめてしまう妻、ふと橋の向こうに住む父を思う・・・
「川霧」
 霧が立ち込める朝、その女は橋の上から荷物を運ぶ船を見つめていた。。

〜とが特にお気に入り。でも他のも良い。
とても一途な男あり、訳ありな女あり、親を思う子どもあり。
自分の姿が映る川の前では、皆素直になれるようだ。

9点
2003.05.22 Thursday 13:42 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『おれは非情勤』 東野圭吾 集英社文庫 

おれは非情勤
おれは非情勤

表題含む3編の短編集。
 
「おれは非情勤」(6章)
主人公は、産休などで休む先生の変わりに、臨時で2〜3ヶ月だけクラスを受け持ち、また別の学校へと移動していく非常勤講師をしている。毎回赴任した小学校でいじめなどのトラブルから殺人事件まで、先生が謎を解いていく。。

4〜5年前、小学五・六年生を対象にした雑誌に書かれたシリーズを文庫にまとめたモノ。子供向けに書かれているので、大人が読むのには不向きのよう。1編(1章)もカナリ短め。
子どもに読ませるにはちょうど…?文庫じゃなくて児童書として出す事は考えなかったのかな。。と別の意味でミステリな本でした。

>5点
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2003.05.21 Wednesday 09:32 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『神々のプロムナード』 鈴木光司 講談社

神々のプロムナード
神々のプロムナード

 史郎は高校の頃想いを寄せていた女性で今は友人の妻となっていた深雪から、二ヶ月前、突然友人が居なくなった…という連絡をうける。母子2人で突然路頭に迷う事になった深雪を見て、史郎は深雪と友人を探し始める事にしたが、そこにはテレビ、アイドルタレントの失踪、宗教など幾つかのキーワードが…。

話はサクサク読めるが、中盤あたりは間延びした感じがした。結局、好印象をもてる人物が居なかったし、話の進み方も読了後すっきりしなかった。
落ち込んだ時には誰かに救いを求めたくなる。そんな時に目の前に手を差し伸べる人が居たら…どう行動するのか・・・それは考えたかな。
7点
2003.05.20 Tuesday 13:52 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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