空飛ぶタイヤ オススメ♪
トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。
話は赤松運送のトラックのタイヤが外れ死者が出てしまうという最悪の状況から始まる。それは整備不要という事故として扱われるところだったが赤松社長の社員達の丁寧な作業振りから、事故の原因はメーカーにあるのではと疑い始めるわけだが…。
タイヤが飛ぶ…リコール隠し…プライドと体裁、組織の中の確執・しがらみ・対決、そして偽造…。今世間で騒がしている事件や話題を集約したような話になっている。特に大企業・○菱財閥…まさにタイムリー。
自動車メーカーの不信・会社運営・銀行からの請求・警察の対応・子どものいじめやPTAからの追及・雑誌社からの情報・同じ整備不良とされた会社への訪問と、問題は次から次へと勃発し、赤松社長は息着く暇もなく走り回わる。
父の代から受け継いだ社員たちの信頼を力とし、本当に大事にしなければならない本質を、心揺れながらも回りに支えられ突き進んでいく。大きな企業へ無駄な抵抗と思われていたことも社長の熱心な行動により銀行も雑誌社もそして同業者たちを、味方につけ立ち向かっていく姿が良かった。
>>10点
実にリアルだがここまで元が分かってしまってもいいのだろうか〜なんて思ってしまうが池井戸さんは旧三○銀行勤務〜だったそうだ。(なるほど)
〜〜で、池井戸さんのHPを覗かせて頂いたら、2006年12月16日(土)にこの小説のその後にあたる【三菱自動車の虚偽報告事件】 について日記で触れられていた。
事実はまだまだ本当の悪党は罰せられないようだ…。
この本、すごくよかったですよね。
私も五つ星、オススメにしたんです。
それにしても、大企業の傲慢ともいえる
態度は許せないですね。