きのう、火星に行った。
小学6年の拓馬はスポーツも勉強もそつなくこなせるのだが、何をやってもつまらなく感じてしまう。
あるホームルーム中に居眠りしていたら、体育大会の選手に選ばれてしまった。それが憂鬱のタネなのだが、病気治療のため何年も田舎で暮らしてきた弟健児が、戻ってきたのだ。。。
やる気の無い子どもってよく居る。ウザいとかめんどくさいとか、つまらないとか…。またつまらないと言って怒ったりする。
これって大人にも居る。よく居る。
大人の世界に限りなく近い子どもの社会構成が描れている。
拓馬も、冷めた子どもで大人びていて弟にも冷たいし友達にも一線を引いた部分がある。この拓馬を周りはどんな風に受け取っているのか、また拓馬がどう成長していくか。
何でも出来るが故に一人でいても大丈夫=他の人は関係ないという考えになってしまっている拓馬に、父の一言(私はこの言葉が強烈に残った)や弟・友人の態度に表れ始める。
そのことに拓馬が感じ変化していく様子が、とても良かった。
途中まで本当に厄介な子どもだな、と思っていたので尚更だ。
子どもが成長していく姿がリアルに描かれていて、心に突き刺さる。
子どもにも大人にも読んで貰いたい本。
>9点