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『出口のない海』 横山秀夫 講談社

出口のない海
出口のない海

今回は戦争モノと、新たなジャンルに挑戦…ではなく、著者が1996年にノベルズとして出した旧著を全面改稿したもの。

終戦真近、万が一にも生き残る可能性もない人間魚雷<回天>に乗ることになる主人公。何の為に死ぬのか…理由付けをしたい。そしてまだ夢を追いかけたい。つい一年前には野球をやっていたのだ…。戦艦さえ見たことがないのに戦争をしてきた気分になる。「これは己の心の中の戦争なんだ」戦争に青春時代を翻弄させられる。死のみしか進む道を選べない主人公の葛藤が描かれている。
  
この本を読んで思い出すのが、同時期に出された『僕たちの戦争』荻原浩。同じ回天を扱った、軍事教育がそれほどされてないうちに戦場へ赴く若者達。
「己の心の中の戦争」は両作品に共通する。
タイトル『出口のない海』の意味がとても切なく感じた。

8点


出口のない海―人間魚雷回天特攻作戦の悲劇(ノベルズ)
2004.11.16 Tuesday 17:12 | comments(0) | trackbacks(3) | 
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2024.03.19 Tuesday 17:12 | - | - | 









「出口のない海」横山秀夫
出口のない海posted with 簡単リンクくん at 2005.10. 7横山 秀夫著講談社 (2004.8)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る これ読む前に荻原浩氏の「僕たちの戦争」を読んでいて、 「出口のない海」でも同じようなテーマを扱っている
| 本を読む女。改訂版 | 2005/10/07 3:08 PM |
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| やすのぼやき | 2006/08/14 10:29 PM |
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| じゅうのblog | 2015/08/18 9:40 PM |