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『どうせ、あちらへは手ぶらで行く 』 城山 三郎  新潮文庫

「五月十六日『楽しく楽に』を最優先。不快、厄介、後廻し。楽々鈍でどんどん楽」―作家が手帳に記していた晩年の日録には、自身の老いを自覚し、見つめながら、限られた人生を最期まで豊かにしようとする姿があった。執筆への意気込み、友との交遊の楽しさ、家族への愛情、そして妻を亡くした悲しみなど、作家が世を去る三ヶ月前まで、九年間にわたって綴っていた感動の記録。

『そうか、君はいないのか』に続いての城山さんのエッセイ。
実はこの作品も城山さんが亡くなった後に編集者と次女が城山さんの日記からの一部を抜き出したエッセイとなっている。
前作は仕事にまっすぐな姿と奥様への最後の別れまでが書かれていたが、今回は仕事に支障をきたしそうな物忘れの激しさからくる老いへの不安だったり奥様との別れの辛さ、それを家族には言わず、家族への感謝など。日記だからこその心の声が短い言葉ながら綴っている。
日記だからこそその心の変化や身体の衰えが見えてくる。その中でも城山さんは自分を鼓舞し続ける、そしてよくコースを回ってたゴルフも、お酒もやめ、奥様のことを綴る事に専念しだす。夢の中ではよく二人は会っていたようで、二人でしか分からない会話もあった。

最後に書かれていた奥様への手紙はとても情熱的で素敵。

お時間があれば是非。
2012.02.10 Friday 07:49 | comments(1) | trackbacks(0) | 
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2024.03.19 Tuesday 07:49 | - | - | 
短時間睡眠法に挑戦中 (2013/04/29 8:42 PM)
そうか、もう君はいないのか。を読んで以来、城山三郎氏の本を読むようになり、どうせ、あちらへは手ぶらで行くも読みました。私自身、まだ30代ですが、人生は長いようで短い、という感覚がストレートに伝わってきました。