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『サウス・バウンド』 奥田英朗 角川書店

サウス・バウンド
サウス・バウンド

【奥田英朗インタビュー】←リンク切れしてます。

上原二郎は小学六年生。父は元・過激派で今もアナーキスト、公務員は国家の手先とばかりくってかかる。学校など行かなくてもいい、年金など払わなくてもいい、国民辞める〜など言い出す始末。こんな父に家族が振り回されながらも、二郎は自分の周りにある難題を片付けていくだけで精一杯だった。
そんなある日、父がある人を同居させるのだが、この日から徐々に家族の行く先が大きく変わり始める。

大きく話は前半後半に分かれる。
前半、東京での生活は、仲の良い友人や学校生活は充実しつつも、中学生から目をつけられ絡まれ、また父の騒ぎによって、周りの大人や仲の良かった先生たちの目がが変わっていく。そして子どもなんて無力だと、何度も思い知らされる。
自分は父や母に対してそれほど疑問にも思ってなかったのだが、中学生から言われた一言から徐々に父や母の過去について知り始める。。

前半大人に対して不信感を持っていたし父の考え方についていけなかった二郎だが、後半、新しい地で生活していくうちに、父が言わんとしていたことが子どもながらに理解出来るようになる。また、おせっかいなほど世話を焼いてくれる島の人々達に心底感謝する。
東京では、周りの人たちにも世の中にも合わせられない父だったが、父は大きく間違ったことを言っていたのだろうか?父のルーツを知り、なぜあのような行動を起こすのか、母が父に対してどれほど愛情を持っていたのか・・・。
二郎にとって環境も家族のかたちも大きく変わった一年、だけど、身体も心も大きく逞しく成長していく。。
破天荒な父だけど、それについていく母だけど、充分理解することが出来るほど大人になっている。

登場人物も個性的な人物ばかりだが、そんな人たちとの係わりによって成長し成り立っている。
父が二郎に向けていう言葉は最後に来てジーンとさせる。あのような形でしか、父は息子に伝えられないのだ。

元・過激派など出てくるが、あくまで元である。超個性的だが、自身の人として大事にしなければならないことを守りぬいているだけ。あまり偏見を持って読み始めなくてもいい。家族と少年の成長を描いた作品で面白かった。

10点

基本的にコメディ(笑)なのだが、垣間見せる思想者たちや、大人の事情、つまり子どもが立ち入れない話が二郎に降りかかり、そんな大人達に巻き込まれていくのだが、大人の中の子ども…だけではなく、子ども同士の繋がりもちゃんと描いている。
大人も子どもも読めるそしてそれぞれに共感できたり笑えたり。エンターテーメントな物語になっていて面白かった。
2005.07.09 Saturday 17:50 | comments(8) | trackbacks(9) | 
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2018.10.13 Saturday 17:50 | - | - | 
june (2005/11/14 10:46 PM)
みかんさん、こんばんわ
文句なくおもしろかったです!みかんさんの10点に私までうれしくなってしまいました〜
この家族以外の登場人物たちもそれぞれよくって、笑ったりじーんとしたり、ぐすっとしてしまったり・・1冊丸ごと楽しみました。
みかん (2005/11/16 1:33 PM)
juneさん、こんにちは。
TBありがとうございました。
面白かったですよね〜!!
私も読みながらちょっと興奮できるような本は
久しぶりだなと思いました。
ディック (2006/07/09 6:49 PM)
先週読みました。ブログの感想は近いうち。
奥田さんの小説はさほどたくさん読んだわけではないですが、本書はいまのところベスト1です。
父親のアナーキストぶりは笑えますが、理屈は筋が通ってます。うかつに中学生あたりに読ませると、アナキスト思想が広まるかも知れない。かっこいいですから(^^;)
みかん (2006/07/10 11:13 AM)
ディックさん、こんにちは♪
奥田さんは色んなジャンルの物語を書かれているのでこれ一つと選ぶのは難しいのですが…
私も今のところベスト1です(笑)
読み進めていくうちに、すっかり読み手も巻き込まれているような錯覚を感じるような、そんなドキドキ感を久しぶりに感じました。
ミチ (2006/07/12 6:31 PM)
こんにちは♪
TBありがとうございました!
この本とっても面白かったのですが、私以上に夫が大感激していました。
もともと奥田ファンの夫ですが、この小説の少年の描き方に昔の自分を見た(?)らしく、さかんに感情移入してました。
奥田さんって作品のレベルが一定していて安心して読めますね〜。
みかん (2006/07/13 9:49 AM)
ミチさん、こんにちは♪
TB&コメントありがとうございました。

父と息子の物語なのが旦那サマにも効いたのかな?
勿論私も父の背中を見て育つ子ども達がどう成長していくのか…読んでいて楽しかったです。

奥田さんは本当多才で、飽きさせませんね。
これからも大注目の作家さんです。。
キューピー (2010/03/22 9:32 PM)
↑↑↑
ミチさんがお元気だった頃?を思い出して切なくなりました。今はどうしてらっしゃるんでしょう?ご存知でしたらe-mailで教えてくださいな。

ところで、奥田作品にハズレ無しと再確認いたしました。映画版より良かったです。ラストに二郎が朗読するアカハチの昔話に感動しました。このエンディングで作品に奥行きが与えられていたと思います。映画じゃ両親が伝説の島へ旅立つところで終わっていたでしょう?あれじゃあ、大丈夫なんかい、と突っ込みたくなってしょうがなかったじゃないっすかあ…
みかん (2010/03/25 8:36 AM)
キューピーさん、こんにちは。
ミチさんのコメントちょっと懐かしいですね。
残念ながら今はどうされてるのでしょう。。
きっと映画も本も楽しまれてると思うのですが。。
ミチさんらしい優しいコメントをまた拝見したいのですが…。

長編でしたが、この破天荒なお父さんに最後まで引っ張られてた作品でしたよね。
映画の方もまぁ良かったのですが、最後はちょっと幻想的過ぎて…(苦笑)
ツッコミ入れたいですよね…入れるべきでしょう。
(ツッコミ待ちで終了が狙い?)
奥田さんの作品の中では今も好きな作品です〜が、最近の作品はあんまり読んでなかった…。
また手に取ってみることにします〜。









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