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『そのときは彼によろしく』 市川拓司 小学館

そのときは彼によろしく
そのときは彼によろしく

アクアショップの店長を勤める主人公が恋人へ、自分が中学生の頃、水辺の秘密基地で仲の良かった友達二人との出会いや過ごした一年を話すところから始まる。
ゴミの山で作ったリビングで、一風変わった少年少女が同じ時間を過ごした…お互いの良さを認められる三人。今もそのときを忘れずにいる。

今回も市川さんワールドを堪能。
十四歳という多感な頃、一緒に過ごした日々、大切な友人・初恋の人、その思いを十五年経った現在も大事にし続けられる秘めたる想い。目に見えない形のない大事なものをいつも思い続ける…その思い出があるこそ今の自分がある。自分の生きてきた人生を誇りとしている主人公は、市川作品共通するように思う。

毎回市川作品を読むたびに号泣してしまう私だけど、今回は泣くことはなかった。
この主人公が絶対中学生の頃の事を忘れることも、今の生活をなげうって何かをする、ということが無いと早い段階で思えたから。もうこの主人公に戸惑いはなく、誰かに否定されようがその場所がなくてもずっと離ればなれになっていても心が落ち着いているようだったから。

変わるものと変わらないものが同時にある。
主人公が感じたものを、読み手も感じられる一冊。

9点
2005.02.10 Thursday 23:36 | comments(4) | trackbacks(8) | 

『いま、会いにゆきます』 市川拓司   小学館

いま、会いにゆきます
いま、会いにゆきます

とても仲の良い家族だったのに、妻は一年前亡くなった。
特殊な病気を持ち、物忘れが多い僕と、息子佑司が、妻(ママ)のことを忘れないよう、毎日寝る前に死後ママが行ったという、アーカイブの星の事について語り合った。
そんなある日、2人の前に妻の澪が現れた…それも記憶を持たずに・・

極めて登場人物が少なくてユックリ2人だけの会話が多い。
不器用ながらも一生懸命子育てをする主人公。頼りない父を精一杯守ろうとする息子。その日その日を妻の事を思い浮かべながら、生きている二人は切なくも家族の繋がりの強さを感じる。
主人公のユッタリして、それでいて、別れてもなお同じ人(妻)を愛し続けている。
市川サンのスローラブ 1人の人をゆっくり愛せればイイというのが、涙を誘うことになる。
また、ママの死を、こどもながらに必死に受け止めそれを自分のせいと思い続けた佑司。大人とは違った死への重さを感じている所が更に涙。

恋愛小説+SF風で、ロマンティックな話となっている。。。
あえて、泣ける要素満載!の話だけど、泣かされてやろう・・・と思って読んだ方がイイ。
ちなみに読み始め50Pで既に一回泣いた私は涙腺弱すぎかも。

9点
2003.08.29 Friday 13:45 | comments(2) | trackbacks(2) | 

『Separation』 市川たくじ アルファポリス

Separation
Separation

「Separation」「VOICE」2編収録。
ネットで連載され12万人の人に読まれた恋愛小説。
ドラマ「14ヵ月」の原作。見たことないが忠実に再現されてるようではないみたい。

「Separation」−きみが還る場所−(原題:きみはぼくの)
高校生の恋愛から、若くして夫婦になったが、ある日突然、妻の裕子が原因不明の若返り始める。

原因不明の若返りを2人で受け止め見守っていくと決めてから、とても静かな2人だけの生活が続く・・・妻が段々若返る、その様子と二人の心理の変化が痛々しい。  
妻を元に戻す事が出来ずただ見守るだけ・・・。というのは、悲しい展開。2人の会話や思い出の話は泣かされる。
「寂しい」と「切ない」の違い・・・分かります。


「VOICE」
こちらの方が先に発表されていて、これを元に「Separation」が書かれているらしい。若返りはしないが、彼女の心の声が聞こえてくる・・・というもの。
同じ名前の登場人物だが、設定が変えられ、こちらでは結婚もしない。
私は「Separation」の方が好きかな。

静かな文章と独特の会話は、万人に受けるかどうか判らないが、私は好きなほう、、、盛り上がりは少し欠けるような気はするけど
じんわり・・・切なさが伝わってきます。

8点
2003.08.22 Friday 13:54 | comments(2) | trackbacks(2) | 

『恋愛写真 もうひとつの物語』  市川拓司 小学館

恋愛写真―もうひとつの物語
恋愛写真―もうひとつの物語

キャンパスの裏手の国道、横断歩道の手前で瀬川誠人はおそろしく華奢な女の子、里中静流と出会った。
静流は誠人の事が好きなのだが、誠人は別の女性に惹かれていた。それでも好きな人の好きな女性まで好きになろうとする静流、不思議な関係のまま大学生活が続く・・・そう思っていた。

一人の女の子が女性へと変わる時は恋をした時・・・と恋愛モノではよくある話だけど、それだけでは終わらないのが泣ける所。
誠人と静流の距離感や友人達との距離感、二人の思いのすれ違いなど、文章自体は静かな流れ(?!)だけど、ラストの章や読了後もう一度話の始まりを読むと更に胸が詰まる。
静流の「人を好きになること」に一生懸命なところが、・・・ウム。良かったデス。
素直に読んで、泣いちゃいましょう。

9点
2003.08.05 Tuesday 13:59 | comments(4) | trackbacks(2) | 
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