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『どんでん返し』 笹沢左保  双葉文庫

「思いきって、やったらどうなの」「何をだ」「わたしを殺すのよ」――社の常務の姪と不倫した挙げ句、妊娠させ、結婚を迫られてしまった夫。
玉の輿を目論む夫に、妻は離婚を絶対拒否することで対抗する。はたして、夫婦の運命は……(「霧」)。
ほか、全編会話だけで構成された異色の短編を6篇収録。


初めに犯人が出ていて完全犯罪を企み実行するのですが…。大抵本人は完璧と思っていても違う角度から見れば、綻びもあっさり見つかってしまう…犯人の愚かさが見える短編集で、インパクトとしては弱いのですが、現実にありそうって思えるから不思議ですね。もちろん時代設定はずいぶん違うものですが…。

>>7点
サクッと読めます。


 

2014.03.30 Sunday 01:57 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『十九歳の葬式』 笹沢佐保 光文社文庫

 「あの人たちさえこの世からいなくなれば…」。ボーイフレンドとともに、裕福な養父母の殺害を企てていた十九歳の女子大生・美和。ところが、養父を殺害するはずだった佐賀県・武雄の地で、その美和自身が死体となって発見された!捜査は難航し、事件は迷宮入り。しかし15年後の時効直前、3人の刑事たちの執念が新たな事実を浮かび上がらせた―。


今回も佐賀県警の定年真近の刑事が、もう一度事件を洗いなおしていると、ある雑誌のコラムに出会い、そこから意外な方向へ。
どうして美和がその場所で殺されていたのか、そもそも美和は何故その人を殺そうとしていたのか…。美和と犯人との動機がわかるにつれて、事件の深さを物語っていくのですが…。
意外な容疑者が浮かびあがってくるのですが、今回は落しの達人と呼ばれる水木警部補が登場し、取調べをしていきます。
容疑者と水木警部補との駆け引きの中で事件の真相が見えてきて読み応えがあります。
事件の背景と、刑事達とのチームワークとの対決と言いますか…面白いです。

取調べ室シリーズの番外編ともいえるこの作品、
最初のこの事件の再捜査へのきっかけの部分、アリバイくずし、物証の部分など面白い仕掛け(といっていいのか分かりませんが)で、飽きさせません。

沢山ある笹沢作品の中で、取調べシリーズや初期の作品が好きな方にはオススメ出来ると思います。(この本を見つけるのは難しいかな…偶然見つけた私のようなビギナーファンの方には是非)

9点
2011.08.17 Wednesday 11:13 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『求婚の密室―笹沢左保コレクション 』  笹沢左保  光文社文庫

 東都学院大学教授・西城豊士は、自らの誕生日を祝うため軽井沢の別荘にルポライター天知昌二郎を始め、十三人の男女を招待した。西城はここで娘・富士子の婚約を発表するつもりでいた。だが、翌朝、密室状態にあった離れの地下室で、西城夫妻の服毒死体が発見される。床にはWSの文字が…。ダイイング・メッセージと密室の謎に挑む、会心の本格推理小説。

1978年発表の作品。
別荘のパーティに呼ばれた13人はどの人も表には出せない繋がりがある人ばかり。そんないわく付きな人ばかりの中での主宰の西条夫妻が密室の中亡くなって発見される。
何人もがそのトリックを見つけようと持論を発表するが結局アリバイと密室の謎を解けないでいる。
タイトル通り西条夫妻の娘との求婚と、密室。
今回ルポライター天知昌二郎が探偵役として登場するのだが、この辺がちょっとTVドラマのような感じ。。
情熱的だけどクールな天知が雑誌編集長の田部井とキャラがたっているし、登場人物もその背景もしっかり描かれてるし、密室の謎と犯人は最後まで引っ張ります。
うーん、面白いです。

また解説を読んでなるほど。。。と更に思えるんですね。
ま・・・ちょっと色っぽいシーンは控えて欲しかったけど、それもちゃんと繋がってます。
密室モノって手の内が限られてるものだけど、それでも面白く気付かずに導いてくれます。
この手の作品が好きな方は是非。

9点

解説にあった、あれ  これはクイーンの○○○○だったのですね。。。
…なるほど。そういえばそうだ。
急に30年ほど前に読んだ作品が出てきて驚いた…
やられた!
ミステリーファンになった頃を思い出しました。
2011.05.07 Saturday 01:05 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『霧に溶ける―笹沢左保コレクション 』 笹沢 左保  光文社文庫

 ミス・コンテストの最終予選に残った五人の美女。最終審査を前に、脅迫、交通事故など彼女たちを襲う事件が次々と発生し、ついには怪死事件が!自殺か?他殺か?警視庁特捜班の前には、巧妙なアリバイ工作、鉄壁の密室など、複雑に絡み合った“犯罪連立方程式”が立ちはだかる。周到な伏線が、読者を不可能犯罪の迷宮へと誘う、笹沢本格推理の決定版。

1960年、デビューした年に初版ということで、今のご時世とは違うけれど、難解な事件が立て続けに起こり、それはミスコンの最終審査に残った5人に関係あるのではと、『招かれざる客』に出てきた倉田警部補が担当する訳ですが。。
登場人物が限られていて、謎の多い殺人現場、そしてそれぞれ事件の犯人が見えない。
複数のトリックがそれぞれに繋がっていて、最後まで難解。そして事件を解決し読了し終えれば、なるほどとため息が出る。
ミステリーとしては贅沢すぎる展開。
あくまで主人公達の話がしっかりあってこそのトリック、どうだ!とトリックを読ませる内容ではないのが良い。
これが50年前のものとは思えないなぁ。

やはり時代背景が違うのが目に付くけど、それでもやっぱり面白かったです。

10点
2011.05.06 Friday 00:59 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『招かれざる客―笹沢左保コレクション』 笹沢 左保  光文社

 事件は、商産省組合の秘密闘争計画を筒抜けにしたスパイを発見した事が発端だった。スパイと目された組合員、そして彼の内縁の妻に誤認された女性が殺され、二つの事件の容疑者は事故で死亡する。ある週刊誌の記事から、事件に疑問を感じた警部補が挑むのは、鉄壁のアリバイと暗号、そして密室の謎。笹沢左保のデビュー作にして代表作となる傑作本格推理小説。

前半は事件と供述調書、後半は終わったと思われていたこの事件をもう一度一人の警部補が病欠として長期の休みを取り、そのあいだにこの事件を調べなおす…というもの。
前半を読むだけで事件としては終わってしまうのだが、その終わり方も身も蓋もない終わり方。それなのにそれを覆す「特別上申書」。動機・アリバイ・密室…など色んな要素が盛り込まれているし、なによりこのタイトルの意味も深い。犯人の執念と倉田警部補の執念がどちらも強く伝わってきて読み応えありました。

またもう一編、『青春飛行』というエッセイが収められてますが、これは笹沢氏が郵政省の東京地方簡易保険局というところで働き始めたころからのエピソードが書かれてるのですが…。
それは波乱万丈というか凄い青春を送ってみえたのかが分かります。
その保険局に勤めていた時に書かれた作品なので、この作品にもしっかり反映されてる部分がありました。このエッセイを読んで、また作品を見直すと、なるほど…というか面白さは増えますね。

350冊を越える作品を発表した笹沢氏のデビュー作。
そして、この執念を見せる倉田警部補は次の作品『霧に溶ける』でも出てるそうなので、読んでみたいと思います。

10点
2011.04.23 Saturday 21:56 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『取調室(4)−水木警部補の敗北』  笹沢 佐保 光文社文庫

 佐賀県の山中で画家の絞殺体が発見された。佐賀県警の「落としの達人」水木警部補は、画家の妻・レイを容疑者としてマーク。レイの心に潜む闇を感じながらも、彼女の完璧なアリバイを崩せない水木は苦悶する。シリーズ第4弾。

殺された男性が金持ち美人の妻を持つ男、妻は動機はあるが、冷え切った夫婦だし、なによりアリバイがある。もう一人の容疑者はこれまた美人、アリバイはないが動機もない。
美人二人を相手に鑑識の力を借り容疑者を追い込もうとするが…。
女性の心の内を探ろうとする水木が苦戦するわけですが、女性は急に怒りの沸点がすぐに上がるわけで…読み終わればなるほど女性ならではの…って感じですが、それを導くのは難しいかな。でもありそう…って思わせるのが上手いですね。殺された夫のダメ男っぷり…も見事です(笑)

残念なのはこのシリーズはコレで終わり…ということ。多作な作家さんだったので、4冊で終わりというのは残念。この本も最後という感じでは終わってないので余計に寂しいです。

8点
2011.02.13 Sunday 11:58 | comments(2) | trackbacks(0) | 

『取調室〈3〉敵は鬼畜』   笹沢 佐保  光文社文庫

 佐賀県鳥栖駅で母を待つ少女が保護された。彼女がそこに現れたのは二度目、そして彼女の母親の焼死体が発見された。「落としの達人」水木警部補が挑むのは残忍・冷酷な鬼畜なのか? シリーズ第3弾。

鳥栖駅で偶然少女を発見したのが婦警さん、立ち尽くす少女に良からぬ想像をするのだが、それが母親の焼死体の発見で現実の事となってしまうとは。
この少女の親子に隠された秘密、それは一人の男からの不幸の連鎖。水木警部補が心底怒りを覚えた容疑者は生きたまま焼き殺すという一番残虐な殺し方をしている。冷血・極悪非道を越えた男。
既に容疑者として目の前にいる男をどう落としていくのか、自白のなかで事件の裏側が見えてくる面白さがある。
また水木警部補の出番になるまでの周りとのチームワークが良いのが地味ながらとてもいい。
後味はあんまり良くないけど一つの小さな発見からの展開が楽しめてよかった。

8点
2011.02.04 Friday 11:47 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『取調室 (2) −死体遺棄現場』  笹沢 佐保 光文社文庫

 佐賀県有田町で女性の死体が発見された。被害者・井出香織里と被疑者で一世を風靡したスター歌手の香山弓江の接点は皆無。弓江は完璧な答弁を見せ、事件は暗礁に…。最新の科学捜査を背景に、捜査官と被疑者の息をのむ死闘を描く。 取調室シリーズ第2弾。

死体が見つかりいかにも…という犯人が捕まるが、まるで接点が見つからない。容疑者はかつて有名歌手だったが、自分は犯人じゃないと強く言い、その自信も強固なものがあるのだが。
シリーズ2弾目ということで、更にキャラがハッキリ描かれていて、どの人物もハッキリイメージ出来るほど。香山弓江と水木のやり取りは勿論なんですが、自白に追い込む為の身辺捜査や鑑識の様子なども丁寧に書かれていて、なかなか面白かった。
また、捜査と平行に水木の家族にも触れていて、そこから水木の人柄も見えてきたりして。(ちなみに年齢は45歳。身長は高いようだが、それほどハンサムというわけでもないらしい…。妻と娘がいる。)

まぁ、ちょっと強引かな…と思うところはあるけれど、どうもそれは笹沢さんの特徴でもあるらしい(?)
ミステリーというより推理小説と言ったほうが合ってる感じ。
人間くさいところが見えるのが良いです。
出版日が文庫でですが1997年だからかな、携帯もポケベルも出てこないので、ちょっと懐かしい感がありますが、そこが良いのかも。

8点

2011.02.01 Tuesday 11:41 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『取調室』  笹沢 左保  光文社文庫

取調室 新装版―静かなる死闘 (光文社文庫 さ 3-106 笹沢左保コレクション)
取調室 新装版―静かなる死闘 (光文社文庫 さ 3-106 笹沢左保コレクション)

佐賀市内のホテルで学生テニス選手権の優勝者・小田垣悦也が撲殺された。死体発見の数時間前にホテルをチェックアウトした父・光秀に疑惑が集まり、一週間後、北海道で光秀は逮捕される。だが、彼には、鉄壁のアリバイがあった。
『落としの達人』の異名をとる、水木警部補と光秀の、密室での行き詰まる攻防が始まる!


表題通り、ほぼ取調室の中でのやりとりが中心。犯人は既に判ってるのだが、否認したり黙秘したりと頑なな相手と刑事との駆け引きが見事に描かれてる作品です。
刑事側には物証が少なく切り札が少ない。
TVの刑事ドラマとは違って、派手さはない。それは再三作品の中で触れている。
ジリジリとしたやりとりに拘留期限が迫る。

派手さはないけれど、その情景が見えてくる。
謎解きよりも、その工程を楽しめる、ちょっと変わった刑事物語となっていた。
 
8点

作品中に現実はTVドラマのように取調べはおこってない…というが、
この本を原作として2時間ドラマでシリーズ化している。
私は見たことないけれど、いかりや長介さんが主人公を勤めているドラマで、いかりやさんが不在となってドラマのシリーズも終了となっている。
刑事と犯人との駆け引きは話術と心理を読み合う場面として現れている。
ドラマとしても華やかさには欠けるが、その分リアリティーも感じられる。
2008.08.10 Sunday 00:05 | comments(4) | trackbacks(0) | 
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