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『奇面館の殺人(上)(下)』綾辻 行人 講談社文庫

季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!

館シリーズ9作目…とのことですが、間空きましたよね。。いや、『暗黒館〜』を挫折してたから…。今回はちゃんと読了出来ました。
孤立した館に数日間閉じ込められ、その中で事件が起こる…というのは鉄板で、そこからどうなってくのが読みどころなんですが、色々盛り込みすぎてそれを楽しめるか、めんどくさく感じるかは読み手次第といったところでしょうか。やはり中村青司の設計の建物はカラクリがあって、そのトリックを明かしていくのは面白いのですが、登場人物が魅力薄で、読了後犯人や鹿谷の満足感だけで、他は置いてけぼりなのが残念かも。。
ただ、閉所が全くダメな私には仮面つけっぱなし…っていうだけで恐怖感100倍、異常な緊張感で読みましたよ…。ああ怖い。しかしホラー系ではないので…まだ…。

この館シリーズはあと1つで終了とのこと。綾辻さんもお忙しいので、いつになるのか分かりませんが…やっぱり期待してしまいます。
2015.05.23 Saturday 02:04 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『深泥丘奇談』  綾辻行人  メディアファクトリー

深泥丘奇談 (幽BOOKS)
深泥丘奇談 (幽BOOKS)

体調に不安を覚えて検査入院した語り手の奇怪な目撃談「顔」、散策の途中で遭遇したローカル線の妖しい記憶をめぐる「丘の向こう」…。京都を舞台に、せめぎあう日常と超常、くりかえす怪異と忘却を描く怪談絵巻。全9話収録。

本格ミステリといえば綾辻さん、なのですが、今回はアレ・ソレ・これ…と、恐怖の元となるものが見えてこない、不思議な短編連作の作品です。
怪談専門誌『幽』という雑誌に連載されている作品だとか。
京極さんテイストではないにしろ、非現実的なものが常に付きまとう。
京都在住の小説家が、近所に見つけたちょっと変わった病院。
体調不良から通い始めるのだが、医師達が風変わり。そして変わったことが次々起こるのだが……本人はカナリ怖い思いをしても思い返すと…のような気がする。と記憶が定かではなかったりする。
文章の中に、ハッキリしない何かとギギギギ…とかギャーとか擬音を発っするシチュエーションがある。その舞台が病院とくるから、発想力の乏しい私でもゾッとする。
また京都在住の作家が主人公……って、モロ綾辻さんを連想するんですが(笑)更にその奥さんも風変わりというか意味深な言葉が多かったり、深泥丘病院のことが詳しかったり…と。

切れ味の悪さを感じますが、それが怖さを引き立ててます。
どうもまだ続くらしい…。
この主人公はどうなっていくのでしょう。
それでもまだこの病院に通い続けてしまう…気がします(笑)

8点

装丁がとても凝っていて面白いです。
2008.11.11 Tuesday 22:22 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『びっくり館の殺人 (ミステリーランド) 』  綾辻 行人  講談社

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)
びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、「リリカの部屋」で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に! あれから10年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが…。

このミステリーランドシリーズは子ども向けに作られたミステリー作品ばかりなのですが、この『びっくり館の殺人』も子ども向けであり、綾辻さんの館シリーズの8作目にあたります。
館シリーズと言えば、建築士の中村青司が建てた館での殺人事件が共通、このびっくり館も中村青司の設計、しかも若い頃の作品ということで、綾辻ファンなら嬉しい1冊かも。
…と、シチュエーションは嬉しいのですが、子どもにオススメ出来るとは言いがたいです。びっくり箱のような引き出しとか出てきますが、びっくりというより怖さや引いてしまうびっくりの仕方になってしまっているし、その後の展開も悪趣味な展開になっていくので、これを子どもに理解させるのは難しいんじゃないかなって思います。
ミステリーというかホラーの要素も強いんですよね。

またラストもある意味衝撃的です。

…久しぶりに綾辻さんの作品を読んだのですが、ちょっと期待が外れてしまって残念です。
個人的には、大人の読み手やファンを意識した作品ではなく、完全に子ども向けにしてもらいたかったです。

6点
2007.09.18 Tuesday 01:02 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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