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『午前0時の忘れもの』 赤川 次郎  集英社文庫

愛していれば、奇跡もきっと起こる―バスの転落事故で湖の底に沈んでしまった死者たちが、愛する人たちに別れを告げるために、午前0時に戻って来た!深夜のバス・ターミナルでの、死者と生者の不思議な出会い。生きることの切なさ、命の輝き、そして人を愛することの素晴らしさを描ききった、赤川ファンタジーの傑作。(大林宣彦監督・映画『あした』原作)。

初版は1994年、ですが古さを感じさせません。事故で亡くなった人からのメッセージ、そこに集まるそれぞれの物語。しんみりしそうな話しですが、前半は夢見事のように怖さより急に居なくなってしまった相手への再会で楽しささえ感じるテンポ良く読めるのですが、後半はジーンとさせる。大人も子どもも読めるし、作品のメッセージも嫌味なく伝わってくる。

やっぱり上手いな〜と思わせる一冊でした。


8点

2014.01.30 Thursday 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『夜のだれかの玩具箱』  あさの あつこ 文春文庫

 温厚な父が秘めていた40年前の不思議な恋、江戸から消えた女房が見せる奇妙な夢、少年時代の後悔を振りきれない男の帰郷…。切ない恋愛から艶めく時代小説まで自在に描きだす、著者の才が冴えわたる6篇。恐怖や迷いに立ち止まってしまった大人たちの、切なくて、ちよっと妖しい世界を詰め合わせました。自作解説付き。

朝のこどもの玩具箱』の対の作品。こちらも6編の短編集。
朝と夜でわかれてるのですが、こちらはちょっと怪しめな作品が多いかも。
こちらのほうが、私には合ってるかな。
「夢女房」「もう一度さようなら」が好み。

8点
2012.11.28 Wednesday 08:59 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『朝のこどもの玩具箱』 あさの あつこ  文春文庫

 目が覚めたら魔法のしっぽが生えていたイジメられっ子、父を亡くし若い継母とふたり年を越す高校生…。児童文学から恋愛小説、SF、時代小説まで、ジャンルを超えて活躍する著者ならではの、色とりどりの6篇が入った“玩具箱”。明日への希望きらめく瑞々しい気持ちをギュッと詰め込みました。文庫オリジナルの自著解説を収録。


子どもから大人まで、童話風やライトノベル風など色んなタイプの短編が6編。
すぐ読み切れるものばかりで特に「がんじっこ」「この大樹の傍らで」が気に入りましたね。
ジャンルも違うのがあって、好きな話とそうでないのに分かれるかもしれませんが、おもちゃ箱という表現がぴったり。
対になる『夜の』もあるので合わせて読んでみたいと思います。

7点
2012.11.27 Tuesday 08:46 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『おいち不思議がたり』 あさの あつこ PHP文芸文庫

おいちは十六歳。江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父の仕事を手伝っている。おいちが他の娘と違うのは、この世に思いを残して死んだ人の姿が見えること。そんなおいちの夢に、必死で助けを求める女が現れる。悩みながらも己の力で人生を切り拓き、医者を目指す娘が、自分に宿った不思議な力を生かし、複雑にからみ合う因縁の糸を解きほぐしていく、青春「時代」ミステリー。

医者の仕事を手伝っているおいちには、まだ治療として人を治すことは出来ないが、自分に出来ること…でも自分の出来ることの少なさに気持ちも沈んでしまうけれど、それでも体が動いてしまう。
決して勝気な女の子ではないけれど、困ってる人には手を差し伸べたい。彼女には他の人には見えないものが見えるのだから。
時代小説にはあまりないちょっとSFタッチとミステリー、若い女性も読めそうな設定で面白いです。
読みやすいし、やはりキャラがすごくたっていて魅力的なんですよね。
この本もシリーズ化されているそう。
この後も要チェックです。

8点

2012.10.14 Sunday 21:58 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『木練柿』  あさの あつこ 光文社時代小説文庫

 胸を匕首で刺された骸が発見された。北定町廻り同心の木暮信次郎が袖から見つけた一枚の紙、そこには小間物問屋遠野屋の女中頭の名が、そして、事件は意外な展開に…(「楓葉の客」)。表題作をはじめ闇を纒う同心・信次郎と刀を捨てた商人・清之介が織りなす魂を揺する物語。時代小説に新しい風を吹きこんだ『弥勒の月』『夜叉桜』に続くシリーズ第三巻、待望の文庫化。
 
三作目は短編と中編が入ってるのですが、短編の方はミステリー色が強く、表題にもなっている「木練柿」は遠野屋のお内儀の目線から書かれていて清之介とおりんの出会い、そして遠野屋の家族繋がり、また清之介と同心の小暮との信頼、絆が描かれてます。
もちろん最初の巻の方に二人の出会いは書かれてるのですが、また違った目線から見るのも面白いですね。物静かな清之介も心の内は揺れ動くものもあり・・・それが人間くさくていいのです。
まだまだシリーズとして続いてます。
次が楽しみです(文庫になってからと思うけど・・・)。

9点


2012.10.11 Thursday 00:32 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『もっとミステリなふたり 誰が疑問符を付けたか?』  太田 忠司  幻冬舎文庫

女優以上に美人かつ一瞥で人を竦ませる京堂景子警部補は難事件を数々解決。だが実際は彼女の夫でイラストレーターの新太郎の名推理によるものだった──。職務中は「鉄の女」、彼女の前ではデレデレの可愛い妻と、それを世界でただ一人知る料理上手でクールな夫が8つの怪事件をあざやかに解く傑作ミステリ。 (『誰が疑問符を付けたか?』 改題)


前作『ミステリなふたり』の続編。今回も8編の短編連作となっていて、サクサクと読める。
捜査一課の鉄の女と呼ばれる景子と草食系男子の新太郎の組み合わせも面白いし、景子の豹変っぷりに驚いてるうちに新太郎が安楽椅子探偵よろしく解決してしまうのがいい。
そんなに頼ってていいの?と思うが、じっくりミステリーを堪能するのもいいけど、こういうのも面白い・・・と思わせる。
前作も読んでいてドラマかマンガになりそうと思ってたら…なっていた。
『超再現ミステリー ミステリなふたり』 
ちょうどその回だけ見逃してた・・・。

ライトなミステリもOKな方は是非。

9点

2012.09.25 Tuesday 16:18 | comments(2) | trackbacks(0) | 

『書店ガール』 碧野 圭   PHP文芸文庫

 吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。協調性がなく、恋愛も自由奔放。仕事でも好き勝手な提案ばかり。一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。そんなある日、店にとんでもない危機が…。書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。本好き、書店好き必読。

冒頭から、女子ならではの確執だったり意見の不一致でどんどん仲が悪くなる理子と亜紀、それが結構中盤まで続いて、本屋の話から離れてしまってましたが後半でようやく話が面白くなってくれて…。
書店に女性が多いけど、社員の人や上の人は男性ばかり。この物語ではロクな男性が出てこないので、女性はさらに強くなければ…。
働く女性、今回はアラフォー未婚女性(安定保守)と20代既婚女性(強気で挑戦的)との対決となっていて、その辺のバトルは面白いというか。。
最後盛り上がっただけに、オチ的な部分はやっぱり・・・で残念、ミステリーではないのでね。

数年前に書店を題材にした本が多く出ていて、この本もそのころに単行本として出ていたよう。
上記で書いたように前半部分がちょっと…と思う部分があるけれど、この本の面白さは人間関係以外は結構リアリティだということ。
どんどん本屋は少なくなってきて、イベント的なものがないと人が集まらなかったり、あとは実在の本や雑誌・マンガなどの作家さんの名前が出てるということ。単行本のときはNGだったそうだから、文庫本のほうが楽しめるはず。
なにより、ここ最近流行ってきている電子書籍について「電子書籍は本ではない。データだ。」・・・と痛快にバッサリ。
とはいえ、何年後には、また時代が変わってしまうかもしれないので、読むなら今…(笑)

8点
2012.09.20 Thursday 15:32 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『見仏記6 ぶらり旅篇』  いとう せいこう, みうら じゅん   角川文庫

 仏像ブームを牽引してきた2人がまたもや出かけた見仏の旅。平城遷都1300年祭にわく奈良ではあまりの暑さに摩訶不思議な体験をする。法然上人800回忌で盛り上がる京都では、法然にすっかり心奪われる。見仏初の愛知では思いがけないところで素晴らしい仏像に出会う。人間は現れては消え、仏像は長い時間をかけて生き永らえる。消えゆくものの拠り所としてあるのが仏像―そんなことを思いながら、ぶらりぶらりと2人旅。

前回図書館で借りたけど、やっぱり購入でしょう、文庫だし(笑)
法然上人800回忌ということで、上人にゆかりのある場所をめぐるわけですが、そりゃもう、導かれるようにぶらり旅…いや素晴らしい。。
じつはこの本が出るちょっと前に旦那がちょうど空海親鸞にはまっていて、それにちなんだ場所をすでに歩いてたので、書かれてることが改めて詳しくわかったり…なによりせいこうさんの文章ってすごいって思いました〜(MJ氏の着眼点と記憶力の素晴らしさにもビックリですが)。
内容とは離れるけど、このお二人の行動力というか体力もすごい、都会の人は歩きなれてるのか?電車とバス、タクシーでよくもあちこち回れるとは…ブツ(仏)の力なのか…。

興味のある方は…
本当にガイドブック以上です。
2012.09.10 Monday 00:35 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『見仏記 ぶらり旅篇』  いとう せいこう, みうら じゅん  角川書店

 いとうせいこう&みうらじゅんの仏像めぐりの二人旅も、スタートからはや二十年。今回は遷都1300年にわく奈良、法然800年忌で盛り上がる京都、不思議な縁を感じる名古屋を訪ねた。すばらしい仏像たちを目の前に、二人の胸に去来したものは…。

2010年、今回はぶらり旅。もう新幹線の指定席での待ち合わせでもOKってなぐらいツーカーなおふたり。ぶらり旅は見仏ではよく回ってる奈良京都。2回目や何度目でも、またその時でないと気付かない事も多いよう。
今回は上人ブームが来てる二人はそれにあやかった場所を自然と狙ってか、黙々と目的地を回ってます。
TVの見仏だと面白さとかが優先されて?るのですが、今回はいとうせいこう氏が書いてるので、MJのつぶやきやいとうさんのひらめきや思った事がそのまま書かれているし、前回行った事のある寺との繋がりなども書かれていて、面白いです。
私の好きな秋篠寺にも訪れていて、その様子を読むと、見るべきところがもっとあったな…とさらに思いを馳せれたり、知らないお寺はネットで見ながら…なんていう遊びも出来る(笑)
ま…これだけこの二人を追っかけて読んでる割には私に知識が入ってかないのが残念だけど、今回も盛りだくさん、楽しめました。
2012.01.06 Friday 17:19 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『下町ロケット』  池井戸 潤   小学館

 取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」―佃製作所、まさに崖っプチ。

第145回直木賞受賞作。
以前は宇宙科学開発機構で、ロケットエンジン開発の研究者をしていたが打ち上げ失敗の責任をとりそこをやめ、実家の町工場の後を継ぐことになった。
経営者としてとエンジニアとしての葛藤の中にある佃に言いがかりともいえる大企業からの訴えと、別の会社からの特許についての圧力。資金繰りに苦しむ佃社長の決断と社員達…。

いやぁ…最初から緊迫してるのですが、自身の、そして会社の実力とプライドと現実に挟まれて…中小企業の苦悩が難しいようですが分かりやすく書かれていて、グイグイ読めました。
小さい町工場の社員がだんだんまとまってくる、そして一つのものを作ろうとする、目的の一致が更に大きな輪になっていく様子が…いいですね。
相手側の企業の面々もまあムカッとくる人たちが多いのですが、それぞれの立場立ち位置っていうのも分かるので、そこら辺も見所となってました。

池井戸さんというと『空飛ぶタイヤ』が一番印象的ですが、この作品は読みやすくて元気がもらえる作品。オススメです。

10点


2011.10.28 Friday 01:12 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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