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2017.06.18 Sunday  | - | - | 

『小さいおうち』 中島 京子  文春文庫

昭和初期、女中奉公にでた少女タキは赤い屋根のモダンな家と若く美しい奥様を心から慕う。だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、戦争の影もまた刻々と迫りきて―。晩年のタキが記憶を綴ったノートが意外な形で現代へと継がれてゆく最終章が深い余韻を残す傑作。著者と船曳由美の対談を巻末収録。

この時代設定をみると、戦争があって貧しい大変な時期と思っていたが、実際戦争の渦中にいた上流階級の人たちはどう思っていたのか。。今(現代)と昭和初期と入れ替わりながら書かれているが、クライマックスは一気に進むので読みごたえはある。
感じたのは、どの世でも人には青春がありそれぞれの人生があるということ。それは世の中がどう動いていても変わらないものなのかなということ。
読み終われば面白かったな〜。
ただ最初の方は読むのが進まなかったけど・・・。

8点



2013.02.05 Tuesday 10:28 | comments(0) | trackbacks(1) | 

『わたしはここにいる、と呟く。』  新津 きよみ  徳間書店

 確かなものが欲しかった。絶対に自分を裏切らないものが―。萌子は幼い頃、母親に捨てられたことが原因で、確かなものしか求めず、なにも信じられない大人になっていた。そんなとき父親が亡くなった。葬儀で再会した叔母から、母親の居場所を教えられ、萌子は戸惑う…。どうか気づいて。わたしを見つけて。「さがす」をテーマに綴られた七つの物語。

6編の短編集なのですが、タイトル通り「わたしはここにいる」…と、無言のメッセージを出している女性が主人公達。
どれも身近にありそうな、起こりそうな話、
いや、似たような事件は現実で起こってた気がする。しかしその事件のうわべでなく、その家族だったり被害者だったり犯人だったり…。
しかし、その話は静かで大胆な結末となっている。
派手でない分、内に秘めた黒い想いとか疑心暗鬼になったり〜。心に良心と悪心があるなら、その悪を見てしまったという感じ。
一話一話がとても濃縮されていて、不気味さと後味の良いものではないけど、必ずラストは驚きで終わっている。

初読みの作家さんだったのですが、ミステリー+ホラーなんでしょうか。
遠慮のない語り口が良かったです。

8点
2010.10.16 Saturday 07:49 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『西の魔女が死んだ』  梨木 香歩  新潮社文庫

 中学校に入ったばかりのまいは、学校へ行けなくなった。そして田舎のおばあちゃんのところへ行くことになった。畑や林、川や緑の山に囲まれて過す日々、何よりもおばあちゃんとの生活が楽しいまいであったが、「西の魔女」とはだれだろうか?

いきなりおばあちゃんが亡くなったと知らせが入るシーンから。
そこから主人公まいが2年前、ほんの少しの間一緒に二人で暮らした日々を思い出す。

自然に囲まれた家で、料理をつくったり、庭に出来た野いちごでジャムを作ったり…。そうした自然な生活とおばあさんと一緒にする。毎日決まった朝食のセッティングも自然と自分でもする。それをおばあさんは魔女になるための修行と言った。
こども扱いではなく一人の人としての接し方、そして自分で考え自分で決め、実行出来るように促してくれる。
親と子より、祖母と孫という関係は互いに思いやりを持てる関係なのかもしれない。
日常から少し違った時間の流れのなかで、まいは色んな感情を経験する。

おばあさんが亡くなって、一人の人生が終わったことを知ったまいは、これから自分はどういう人生を歩みたいかを考えると思う。おばあさんは最後までまいに語り続けてたんだと思うとちょっと泣ける。

話としては短いものだけど、奥深いと感じなぁ。
大人の私としては、子ども目線と大人目線で読んでるからだと思う。
大きくて包み込むような優しさとピリッとした鋭さを持つ祖母と、協調性があまりなく自分を持っているが目線は狭く深く思い込みやすいまいが、ハッキリ書き分けてあるところが、余計にそう思わせるんじゃないかな。

中学生にオススメの図書…というけど、大人でもOKだと思う。
映画化もされてるので、そちらもチェックしてみよう…。

9点
2010.09.15 Wednesday 11:19 | comments(2) | trackbacks(1) | 

『 君はフィクション 』  中島らも 集英社文庫

2004年、52歳の若さで急逝した不出世の異才、中島らも。その多面的な作風と魅力が詰まった小説集。幻想、不条理、愛、恐怖、笑い、毒…。若かりし時代を背景に描かれた自伝的作品、未発表作2編ほか、全10編。
単行本未収録の幻の3作品を特別収録した中島らも最後の短編集。



小説のジャンルも長さもバラバラな短編集+娘さんの解説つき。
私はエッセイばかり読んでるので、小説は新鮮。シュールな部分やホラーっぽいものなど、飽きないラインナップ。
表題にもなっている「君はフィクション」や「バット・チューニング」などは特に面白かった。
亡くなる数日前に書き上げた作品もあるのだが、これは奇抜なもの。

何年前かも階段オチ…だけど、こうやって本で読まれ、存在を確かめられる。
未だ、まだどこかに居てるんじゃないかな?って思う私は病んでるのかな。

2010.07.02 Friday 16:02 | - | trackbacks(0) | 

『中島らものたまらん人々』  中島らも 講談社文庫

30代のころ、広告代理店の営業マン兼コピーライターだった著者が、大阪の雑誌に連載していた初期のエッセー集。関西のおばちゃん、大学生、落語家など、形容しがたくユニークな人物が次々と登場し、添えられたイラストが笑いを誘う。

ユーモアあふれる?自分で書かれたイラスト付きのエッセイ。
随分話が古いと思ったら
1987年8月、サンマーク出版より単行本で刊行され、1995年11月に双葉文庫で刊行されたもの
なんだそうだ。
なるほどイラストもちょっと古めのタッチ、爆笑は出来ませんがクスッと笑えるミニエッセイ。
たまらん人々とは、ちょっと変わった人や困ったちゃんや変なことして笑わせてくる人たち。
もちろん、らもさんもたまらん人達のうちの一人なんですが(笑)
2010.05.27 Thursday 00:26 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『りかさん』  梨木 香歩 新潮文庫

 雛祭りにようこがおばあちゃんからもらった人形の名は「りかさん」。生きている人間の強すぎる気持ちを整理し、感情の濁りの部分を吸い取る力を持った「りかさん」とようこのふれあいを優しく描いたファンタジー。


りかさん…といっても市松人形で8頭身のリカちゃんではありません。
とてもガッカリしたようこでしたが、すぐにお気に入りの人形に。
そしておばあちゃんとの交流が始まるのですが…。

初読みの作家さんです。この話は『からくりからくさ』とリンクしているようで、そちらを先に読めばよかったかな。それでも十分、ノスタルジックで不思議な物語に吸い込まれました。
人形にも歴史あり。ようこの家の雛人形など、大切にされた人形であればあるほど思い出も歴史もある。
それをおばあちゃんとりかさんとようこだけのやりとりで、その人形達を理解するという、なかなか魅力的な物語となってます。
母と子より祖母と孫のほうが、かえって話しやすいのかな。
そのやりとりが目に浮かぶよう…。

こういうファンタジー風なのは苦手意識があったのですが、すんなりとその世界に入り込めました。
ちょっとオススメです。

8点



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2010.04.29 Thursday 01:15 | comments(2) | trackbacks(1) | 

『猫、ただいま留守番中』  南里 秀子  幻冬舎文庫

猫、ただいま留守番中 (幻冬舎文庫)
猫、ただいま留守番中 (幻冬舎文庫)

留守中、うちの猫はどうしているのかしら…? その疑問にお答えします。元祖キャットシッターが明かす留守番猫の真実。そこには4万匹の猫たちがこっそり教えてくれたシンプルで豊かな生活があります。

『猫パンチをうけとめて』に引き続き、CSなんりの南里さんのエッセイ。
猫にも性格があるように、飼い主も独特の個性がある。飼い主と猫との向き合い方など、実際の経験からのエピソードが沢山書かれています。
粗相をしてしまう、先住猫と相性が合わない、飼い主と動物病院の先生との関係など、それぞれの悩みがあるのですが、南里さんはエゴグラムというアンケートにより、猫と飼い主を冷静な位置からタイプ分けをし、その猫・人に合ったアドバイスをするということをしています。
もちろん、キャットシッターとしての経験たくさん有り、今はそんなに構えずゆるくされてるということですが、もちろんこのような経験があってこそ。
飼うではなくて一緒に暮らすパートナーとしてのアドバイスがこもった一冊となってます。
2009.02.06 Friday 06:15 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『建てて、いい?』  中島 たい子 講談社

建てて、いい?
建てて、いい?

30代半ばの独身女性はある日、重大な決意をする。それは、家を建てること―。仕事よりも、恋よりも、結婚よりも、家…それは正しい女の生き方ですか。別れて1ヵ月以上たった彼から突然届いた「宅急便」。はたして中身は…?傑作短編「彼の宅急便」同時収録。

特に仕事に燃えてるわけでもないけれど、彼氏も出来ず、見合いをしてもまとまらず、実家にも帰りにくくなっている今、どうしても落ち着ける場所が欲しかった。
そんな彼女が『家』を持つという一大決心から、金銭的以外の壁にぶち当たりながらも、現地の下見やら設計の打ち合わせなど、家の完成図を想像しながら語っていく様子は、とても新鮮。
30過ぎの独身女性だけど奥様〜と声を掛けられるシーンに、'一戸建ての家は家族が住むものとして考えるのが当たり前で、でもなおさら自分には自分らしい家が必要なんだ…'と、改めて自分の家にこだわりはじめる…そんな主人公に強い決意が感じられた。
設計事務所の人と熱心に構想を練るあたりに恋心が芽生えるのでは〜なんて思ったけど、…いやはやガード固い。そこが彼女らしさかな。
マンションを買った〜という話は数回読んでますが、オリジナルの一軒家を建てちゃった物語は始めてかも?。とっても新鮮で興味深く読めました。

2編の短編集ですが、「彼の宅急便」はカナリ短いです。
こちらも主人公の女性の気持ちの揺れが面白いです。

8点
2007.09.17 Monday 00:56 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『ゆれる』  西川 美和  ポプラ社

ゆれる
ゆれる

東京でカメラマンとして活躍する弟。実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な兄弟、だが二人は互いを尊敬していた、あの事件が起こるまでは…。監督デビュー作『蛇イチゴ』で映画賞を総ナメにした俊英・西川美和が4年ぶりに挑んだ完全オリジナル作品を、自らが小説化。

既に映画化されている作品を監督自ら小説化…監督自身が伝えたかったものがストレートに出てるのかもしれない…というか私はまだ映画の方を観てないのだ…(苦笑)

小説は8章に分かれ、登場人物の独白形式に語られる。それぞれの目線からの告白は、登場人物のありのままが出てるのだろうか。家族それぞれの目線がこれほど違い考え方も違う。そのなかでの家族という括りはとてもイビツだ。
つり橋の上で起きた事故…父と息子、兄と弟の特異な関係と精神状態はは吊り橋のごとく揺れている。
物語は最後までスッキリしない。本当のことは誰にも分からないけれど、信じようとするかしないか…。読者自身だったらどうする?と問いかけられているように感じた。

8点

■映画↓
ゆれる [DVD]
ゆれる [DVD]

兄を香川照之、弟をオダギリジョーが演じている。
兄のイメージが違うのだが〜怖いけれど観てみたい。。

2007.05.01 Tuesday 00:05 | comments(6) | trackbacks(3) | 

『猫パンチをうけとめて』  南里 秀子  幻冬舎

猫パンチをうけとめて
猫パンチをうけとめて

留守宅の猫の世話をする、いわばベビーシッターの猫版「キャットシッター」サービスを考案した著者が、10年の間に出会った猫たちから聞いたことを綴った世界でいちばん猫の気持ちがわかる本。

このようなサービスがあるのは知りませんでしたが、猫が好きじゃないと出来ないですよね。猫の遊び相手のほかにも飼い主さんへのアドバイスなどもこなす、実に頼りになる仕事を立ち上げた南里さんのエッセイを、春夏秋冬にわけて載せられています。

訪問先の猫ちゃんとの出会いからコミュニケーション・猫との相性など、何万匹との猫たちとのエピソードだったり、飼い主さんとの出会い、また自身が飼っている猫について書かれているのが殆どですが、メッセージ的なものもありました。
まずは愛情・そして猫がいかに快適に暮らしていけるか、それには人間のエゴや間違った知識が邪魔をすることがある。そういうことには厳しく、そして出会ったことによって発生する猫との責任。猫を可愛がり楽しく過ごせる時間もあれば別れもある。飼い主はそれもひっくるめて責任を持って愛して育てなければいけないことも伝わってきます。

猫の育て方の本には載らない些細な気配りや優しさが載った本ですので、猫を飼ってるかたにはオススメの本です。

CS(キャットシッター)なんりHP
2007.02.18 Sunday 00:02 | comments(2) | trackbacks(0) | 
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