築百年は経つ古い日本家屋で発生した殺人事件。現場は完全な密室状態。防犯コンサルタント・榎本と弁護士・純子のコンビは、この密室トリックを解くことができるか!? 計4編を収録した密室ミステリの傑作、登場!
防犯探偵シリーズ第2弾!
……ちなみに第一弾は『ガラスのハンマー』。よもや続きが発表されるとは思わなかった。
この『ガラス〜』も密室ものだったのですが、どうも密室にこだわったシリーズとなるようで、今回の4編も、短編ながら密室ミステリーをしっかり堪能出来る作品となってました。
「狐火の家」家の主人が家に戻ると娘が死んでいたが、家の鍵は掛けられていて、その家が見えるところで農作業してた人はだれも家に近づくものはいなかったという。『ガラス〜』で密室がお得意と言われるようになってしまった弁護士の純子は榎本に助けを請う…。
出題編のほうは密室なのは分かるが、どれもしっくりこなくて、純子と榎本コンビもスッキリしない謎解きなのですが…
以下少しネタバレするので反転↓
最近似たような事件(家の中で事件は起きてるのに犯人の足跡がない)があったが、その犯人は実は身内だということ。当たり前といえば当たり前なのだが、この作品はその先がある。
主人公二人は刑事ではないので、逮捕するとか捕まえるとかは無い。しかしそのギリギリの部分が一番盛り上がりの部分、いい感じで終わってます。
「黒い爪」この美人弁護士は結構そそっかしい…が故の事件との遭遇。今回榎本はすぐには行けず、電話での推理となるんですが…容疑者は二人電話を掛けるたびに犯人がどちらなのか揺さぶられます。いや…気持ち悪い。まぁトリックはあるのですが…私の最大に苦手なアレ…気持ち悪かった。
「盤端の迷宮」将棋の棋士がホテルで殺されていたのだが、ドアの前でチェーンもかけられていた。…密室??怪しい人物にはアリバイがある。
これは密室の謎だけでなく将棋の世界もチラリと見せていて面白い。
またいつもは純子目線で書かれているのだが、今回は榎本目線…こういうパターンもあるのか…。
「犬のみぞ知る」あとがきにも書かれていたがバカミス…確かに。変わった人達が事件を起こすとこうなるのかしら…。
あとがきまで楽しめますが、短編もいいけど長編も読んでみたい。
このお二人もロマンスなしで続けて欲しい…と思うのであります。
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9点